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あんまりないけど、ちょっとだけある塾講師のメリット【塾講師のおしごと3】

あまりないけれど、塾講師のお仕事のメリットについて書いています。

前回はこちら。

今回はこの続きのイメージになります。今回も結論から書きます。

リアル下克上を体験できる

というものです。

構造が生み出す上下に敏感な塾の先生

学校の先生とお話する機会があると、先生方は「社会常識をわきまえた、大人だな」と感じます。生徒たちが学校の先生の問題点を口にしても、学校の先生よりも塾の先生の方が上だととても思えません。

その理由は、塾業界は、ある意味で「本音」が出やすい業界だからです。その本音には、「差別的思考」につながる危険をはらみます。そのため業界の体質として、上品に言えば、権威主義(上品でもないかもですが・・・)的であり、人間関係において自分が上か下かを常に意識する人が多い特徴があります。

これは、塾業界がよくも悪くも実力主義なので、潜在意識の中に、自分は常に「上に立っていたい」という心理がはたらくからでしょう。単なる虚栄心だけでなく、そう思うことが安寧につながる側面も見逃せません。他者より優位であると確認したいという心理になるのだと思います。

それは、組織においても同様な心理がはたらきます。そのため塾同士でも、競争原理がはたらき、健全な競争よりも足の引っ張り合いが起こるなんとも「美しい業界」でもあります。

実力は、この構造を打破する

私もある塾で教えるようになったとき、この洗礼を浴びました。

あからさまに差別的な扱いを受け、今風に言えば「マウントを取られた」状態になりました。この業界には、威張りたいというメンタリティーを持つ人が集いやすい傾向があると思います。そのため、新人は格好のマウント取りのターゲットになりやすいのです。

仮にそのような扱いを受けたとしても、この業界の良さは、ここでは終わらないことです。

実績と生徒からの評判は、この差別的な構図を打破する力があります。本来は実力主義の業界なので、そこまで時間はかかりません。

下剋上は簡単に起こってしまうのです。

これはテレビドラマ『半沢直樹』が目の前で繰り広げられるような感じです。下に見られていても「倍返し」ができるのです。通常の仕事で。

下克上をリアルで体験することで得られること。

リアルな下剋上体験は、とてもドラマチックです。体験してみるとよくわかりますが、かなり痛快な経験でもあります。人生において、このような体験をする機会は、普通の仕事ではあまりないでしょう。

人生で1回は体験しておいて悪いくないものです。その理由はただ一つ、努力を継続する大きなダイナモになるからです。

人間、誰しも努力には限界があります。天井を感じることは日常茶飯事です。気持ちの面で、これを突破するにためにはモチベーションを高める工夫が必要です。劣等感も一つの力となりえますが、それ以上に大きいのは、この下剋上をリアルで体験することだと思います。

この体験が大きいのです。これは口で説明することは難しいのです。こればかりは、体験してみないとわからないことです。自分なりに解釈しているのは、この下克上体験は、成功報酬として、脳内に思考の回路のようなものができるのでしょう。それが、自分を変えるのだと思います。

弊害もありますので、そこもにも目を向ける

ただ、実際に下克上体験してみると、問題もあります。ドラマには最終回がありますが、実際の仕事には退職しない限り、明日がやってくるからです。

自分で人を差別的に扱っておきながら、下に見ていた人間に実力でひっくり返された場合、上に立っていたと思っていた人の反応はさまざまです。

必死に粗を探される場合もあります。その場合、その塾で継続して仕事をすることが難しくなります。なので、他所に移るしか選択肢がなくなります。ただ、業界の特徴として横断的な移籍は可能ではあります。

そのような職場環境は、ブラックな環境でもあるので、早く見切りをつけられるのは長期的には悪くはない選択となります。

そもそも塾講師は、一つの塾に強い帰属意識を持つことは賢明ではないとも思います。実力主義で生きてくのは、そういうものだと思うからです。

実力を落として組織の中でうまくやっていくことはおススメできない

ここで、組織(=塾)の中で、うまく立ち振る舞うために、爪を隠す戦略もあるのではと思います。ただ、これは選択は余地がない悪手かなと感じています。実力のない塾講師は、市場からの退場しか未来がないからです。

塾講師は、実力のみが未来を切り開く指標といえます。冷徹に言えば、市場性はそこにしかないのです。もちろん、処世術として塾の経営者に取り入ることで生存を図る戦略は塾講師にもありますが、現実は足元を見られてしまいます。そのため、概ね隷属的な処遇を受けいれるしかない。ストレスは膨大なものになるでしょう。

実力主義は、それを身に染みる実感が必要

実力主義で人生を送る人は、もともとポジティブな体験をもった人たちが多いものです。独立したり、開業して結果を出した人は、かつては所属していた組織の伝説の社員だったという例が多いです。

強烈な成功体験は、スキルを高める力を意欲を生み出します。逆に言えば、高いレベルのモチベーションは、その体験なくして継続は難しいものではと思います。

私は、これからの未来は実力主義の世の中になると見ています。理由はこの国が急速に衰退しており、いろんな分野でパイの縮小が起こっているからです。そこでは確実に生き残り競争になる。

そんな未来を見越して、今から実力主義の洗礼を浴びておくことは悪くないとも思うのです。そのための成功体験を持つことは塾講師の場合、他業種よりもハードルが低いのではと思っています。


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