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「正しい対応」と「現実的な対応」とは?【大分県の高校生が作製した交通安全動画で思うこと】

大分県警が交通安全の啓発のために高校生を対象に動画のコンテストを実施したようです。スマホが普及した世代ならではの企画だと感じています。

おおいた高校生交通安全S-1グランプリ2023」(通称S-1グランプリ2023)ですが、その動画がちょっと話題になっているとか。それがこちら。

横断後のお辞儀はさすがにどうかと思いますが、このような取り組みはある程度やむを得ないのかなと感じています。

なぜなら、信号のない横断歩道で停止する車両が少なすぎるからです。

信号のない横断歩道を安全に渡ることは、意外に難しい問題だと普段から思っています。

道路交通法第38条では、車両は止まる義務があります。

第三十八条 車両等は、横断歩道又は自転車横断帯(以下この条において「横断歩道等」という。)に接近する場合には、当該横断歩道等を通過する際に当該横断歩道等によりその進路の前方を横断しようとする歩行者又は自転車(以下この条において「歩行者等」という。)がないことが明らかな場合を除き、当該横断歩道等の直前(道路標識等による停止線が設けられているときは、その停止線の直前。以下この項において同じ。)で停止することができるような速度で進行しなければならない。この場合において、横断歩道等によりその進路の前方を横断し、又は横断しようとする歩行者等があるときは、当該横断歩道等の直前で一時停止し、かつ、その通行を妨げないようにしなければならない。

ただ、相当数の車両がこれが守られていません。

私の印象では、止まるのは、5~6台に1台程度かなと思っています。止まるどころか、横断歩道付近でもアクセルを踏んでると思われる車両もざらで本当に危険だと思います。

なので、歩行者が停止した車両に敬意を表するのは、現実的な「解」としてありなのではと思っています。そのこともあり、私は、停止した車両には、会釈をしています。ただ、転倒や反対側から来た車両が止まる保証がないので、歩いて渡るようにはしています。

本来は、「車両が止まる」が正しいので、そこまでする必要はないという意見も正論だと思います。しかし、現実的には止まらないドライバーが多数派なので、交通ルールを守るドライバーを増やす観点も大事かなと思います。歩行者が会釈程度をすることで、止まってよかったと思ってもらえるのであれば、次もまたどこかで止まってくれることが期待できるからです。

また、現実は私もそうですが、横断歩道で車は止まらないというのがデフォルトになっている認識でいないと危険でもある。

車に乗っているとき、ある高校の前の信号のない横断歩道で停止したら、高校生がきょとん顔でこっちを見てきたことがありました。
手で、どうぞと合図をしてようやくわたり始めましたが、あまりに日常的に車が止まらないのでそのようなリアクションになったのでしょう。

小学生の通学路などは、もっとこの問題は重視した方がいいと思っています。

あと、警察の啓発も大事だと感じます。
普段から、横断歩道で停止することをアピールしておかないと、

みんな止まってないなからいいやんか

という集団心理になってしまいがちだからです。

残念ながら、社会は、そして、現実は、「正しい」ことが行われるわけではありません。法律で定められていても、運用段階では脱法行為は行われることがあるのが現実です。
ならば、正しいルールを広めるためにも、会釈程度のマナーは正しい行いを求める「武器」であってもいいのかなと思っています。

まずは、横断歩道で止まる車両を1台でも増やすことが大事だと私は思っています。


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