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受験時計と時間感覚

今日は、来年の入試から考えて、今はどんな時期かを考えます。

高校3年生にとっても、浪人生にとっても、まだ入試は先という感覚があるかもしれません。

気持ち的には分からなくはありませんが、残念ながら、それは致命的な間違いです。

というのも、物理的な時間と受験に関する時間では、流れている時間が異なっているからです。

受験に必要な能力を獲得するには、一定の時間が必要です。受験勉強に関する「時間」は、物理的な時間より早く流れてしまいます。

あっという間に夏が来て、あっという間に秋になる、気が付くと受験は目の前という感じです。

なので、この受験の世界で流れている時間を受験時間としてみましょう。

私の感覚では、入試がてっぺん(午前0時)とすると、難関大・難関学部の場合、受験時間では、午後9時くらいのイメージです。

これを実生活の感覚で当てはめてください。受験が合格という目的地につく公共交通機関に乗ることだとすると、受験勉強は、できるだけ早い便にのるための努力だと考えることができるのではと思います。

そのような視点で見ると、電車やバスの時刻表というのは、午後9時以降、本数が減っていきます。

そして、午後10時を回ると急激に本数が減ります。

入試とこの現実はよく似ています。

周到に準備をしている受験生は、午後8時くらいの便に乗っているイメージで、かなりの確率で目的地(=志望校)にたどり着けるだろうと思います。

一方で、もたもたしている受験生は、どの便に乗れるのだろうかと不安になります。まだ家にいて、着替えもしていない感じの受験生がわんさかいます。このままだと、合格行きの便に乗れないよと思ってしまいます。

先程、受験時間では、午後9時くらいのイメージだと言いましたが、この時点で、志望校行きの便に乗れていない受験生は、厳しい道のりが待っていることは言うまでもないでしょう。

また、皮肉なことに、よくできる受験生は、この時間の感覚を掴んでいる人が大半です。なので、順調に来ていても彼らは決して油断をすることなく、時間を大切に使っています。

一方で、そのことを理解していない受験生からは、タイムマネジメント的に問題のある発言が出てきます。
・ここからペースを上げるので大丈夫です。
・青チャートを完璧にすれば数学はいけると思います。
・無機化学は暗記だけですから。
・物理は、力学さえできれば大丈夫だと聞きました。
・先輩はここから必死にやって〇〇大に合格したそうです。

これらは、すべて時間についての認識が間違っていることから出てくる発想です。太字で示した部分に時間の概念が入っていることへの意識が希薄なのでしょう。

・ペースを上げても間に合わないかもしれない。
・完璧にするためには、時間がかかるかもしれない。
・暗記だけでも一定の時間が必要かもしれない。
・力学以外にも時間がかかるかもしれない。
・必死にやっても、遅れは取り戻せないかもしれない。

という視点が欠けています。

受験において、楽観は命とりであることが多いです。

受験生は常に時間への感覚を持ってほしいと思っています。




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