見出し画像

見えない着眼点。解決の糸口を探るために必要なこととは?【複素数平面:東北大】

今回は、東北大の複素数平面の問題を解説します。
問題はこちら。

本問、とにかく解法の糸口が見えない問題です。今年の優秀な受験生たちもかなり四苦八苦していました。実際の入試では、このような問題は心理的な動揺を生み出す可能性が高く、解決の糸口をこじ開けるための方法をいくつか知っておく必要があります。

では、どこに着目すればいいのでしょう。

まず、この問題はどのようなカテゴリーの問題なのか?という視点で見ていきます。もちろん、複素数平面の問題ですが、それとは違う角度でどんな問題なのかを考えることが必要です。

問題文を読むと、αが複素数平面で「描く」図形を求めている問題ですね。であるならば、この問題は軌跡の問題とも考えることができそうですね。それが見えてくると、軌跡のアプローチの一つでもある媒介変数表示が思い浮かびます。その媒介変数こそ、問題文にある実数解なのでしょう。

α=x+yiとし、①式からαを導いて、媒介変数表示の形にします。

とできそうですね。すると関数y=2/xが見えてくるでしょう。

(2)も基本的には同じ発想でいいでしょう。
解zは絶対値1より、z=cosΘ+i・sinΘとして、考えていきます。

あとは、回転の情報を組み込んでβをαを使って表現していきます。

あとは、(1)と同様にβ=x+yiとして媒介変数表示にします。

あとは、計算を工夫してsinΘ、cosΘを消去していきます。

どうやら楕円になるようですね。

発想の柔軟さを問われる良問だと思います。

本問のように手がつかない、発想の糸口が見えない問題は、よく分析して突破口をこじ開ける発想の鍛錬が重要です。

数学は「こうしておけばいい」が必ずしも通用しません。数学は点数の読めない科目ですが、このような問題の存在も理由の一つではと思っています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?