見出し画像

文系受験生の戦略の難しさ①

私は理系が担当ということもあり、理系の受験生について書くことが多いのですが、今回は文系受験生について書いてみます。

数学を通して、文系受験生を見て感じるのは、戦略の難しさです。

文系受験生の場合、理系に比べると志望がどうしてもふわふわしたところがあります。これは、理系に比べると志望する学部学科の専門性が弱くなるからでしょう。

例えば、法学部に行ったからといって、法律の専門家になるわけではない人が多数であり、学ぶことと仕事が直結していないので、明確な志望となりにくい。早稲田大なら、所沢でなければ、学部はどこでもいいという受験生が出現するのもやむを得ないところがあります。

また、国公立大学を第一志望としていても、理系に比べると定員が少なく、受験が大変であることと、私立でも理系に比べると学費が安いので、国公立、私立の境界線もあいまいです。

その曖昧さの中に存在する科目が数学で、どうしても数学に対して、消極的な姿勢となりがちです。

「こんな問題出るんですか?」とか「難しい問題をしても意味があるのですか?」という発想になりがちです。

彼らにしてみれば、たとえ2次試験で数学がある大学を志望していても、志望を下げると共通テストのみとなる場合も多く、どこまで数学にコミットすればいいかが難しいのでしょう。

さらに受験生を悩ませているのが、入試制度の多様化です。文系受験生に大人気の秋田県の国際教養大学は、16種類の入試制度があるそうです。

総合型選抜入試については、一般入試ほどは情報(データ)が整備されていないだけに、不確実性が高くなります。この不確実性の高さ故に、チャンスがあると考える受験生もいます。それは、たぶん間違いだろうと思いますが、それを覆す客観的な根拠を示しずらいので、塾講師としてはそれを見守るしか手がありません。

なので、メインは一般入試、保険で学校型推薦入試という理系のような戦略がとりにくいのも難しさを感じます。

一般入試でさえも、いろんなことを考えないといけないのに、さらに学校型推薦や総合選抜の入試を考えるとなると、多くはないものの、勉強に身が入らず、訳が分からないまま時間だけが過ぎていく受験生も出ています。

いろんな選択肢が文系受験生を悩ませているように思います。

なかなか難しい文系受験生の戦略ですが、問題の解決はやはり受験生の考えの骨格だと言えます。

次回はそれについて考えてみたいと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?