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入試問題の選ばれ方【時代の変わり目を感じる1題】

高校生もよく観ているPASSLABOの動画。私も時々観ています。

代表の宇佐美さんは、地方の公立高校から東京大学に進学されたこともあり、地頭の良さを感じる方だと常々思っています。

都会の受験環境とは違った東大出身者ならではの個性を感じます。

その一つが問題のチョイス。

↓の動画もそれを感じます。

熾烈なYouTubeの環境で再生回数を取るために、「たった2秒で完答できる裏技」とタイトルがなっていますが、これは彼の真意ではないのではとみています。

この問題の肝は、数学Ⅱの思考による解法ではないかなと思います。

このような問題に触れることで、思考の幅を広くできるよい問題ですし、そもそもこの問題を選ぶセンスがいいなあと感心してしまいます。

一方で、これが入試問題として出題されるか?という視点では、

これは消えゆく問題

なのかなとも感じます。

理由は、裏技として紹介されている3数の相加平均と相乗平均の関係を「知識」として使って解くと速達の解法になるからです。

これは、今の数学の入試問題の傾向として、好ましくないと考えられているかなと思うからです。

また、3数の相加相乗平均の関係を使うのであれば、
↓のような証明として出てくるイメージがあります。

往々にして、受験産業では、「裏技」的な解法を好む傾向があり、そもそもそのようなことを伝授することが、アイデンティティなのだと考える風潮は根強いと思っています。

ただ、私はこのような方向性について、随分前から、見切りをつけていることもあり、業界的には少数派の思考なのかもしれません。

共通テストに代わり、また、一般入試のありかたも変化している時代でもあるので、どのような入試問題が好まれるのかは、興味深く見ています。


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