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総合型選抜入試は、入試結果を評価する第三者機関が必要だと思う理由【広義の「虚偽」が通用しないようにする責務はやはり大学側にあるのでは?】

ある程度予想はしていましたが、総合型選抜入試を専門とする業者さんの中に、一部だとは信じたいものの、ひどい実態があるようですね。
前にこちらの記事を書きましたが、

こちらの動画を見てもそれを実感します。

動画でご指摘されておられる、「活動実績ロンダリング」は、総合型選抜専門塾をまじめに運営されておられる方からすれば、これは絶対に看過できないことでしょう。

そもそも、これは「虚偽」ではないかなと私は思います。大学受験において、広義とは言え、虚偽を申告して合格を得るという仕組みが一部(だと信じたいですが)で通用している可能性があるというのは、公平性の観点から言えば、大問題ではと思います。

一般入試でカンニングがあれだけ騒がれているのに、この問題がスルーされているの現実は放置すべきことではないと私は思います。

ただ、これを指摘されるのは、大学側の立場から見ると、「不都合な真実」なのかもしれません。

というのも、受験生の良さを見出したいと思う大学側からすれば、受験生を性悪説の前提で見ることへの心理的抵抗があるのも当然でしょうし、そもそも活動実績から何から何まで、これが虚偽ではないかを調べるには、コストがかかってしまいます。そもそも、それには専門に近いノウハウが必要かもしれませんし、そのための人的リソースも十分でないと思われるからです。

となれば、今後もこの活動実績ロンダリングは、やりたい放題となる可能性がある。

これは、受験生(+その背後にいる大人たち)の問題ですが、大学受験である以上、これは制度設計の問題だと私は思っています。

総合型選抜入試の陰の問題は、いろんな指摘に対して、入学後の学生の行動(の統計)をもって、「問題はない」としている点です。
虚偽の申告を見抜けず、あえて強い言い方をすれば、そんな「間抜けな入試」をしておいて、問題ないとどの口が言えるのか。
そのような現実に対して甘い認識こそが、このような抜け穴的な対応を許していると私は思っています。

総合型選抜入試は、複雑さを孕む入試制度だと思っています。主旨や意義は納得いく部分も多い。やる意義については、全く疑ったことはありません。しかし、総合型選抜入試をやるのであれば、入試である以上、堅牢さを伴う公平な制度であるべきとも思います。

私の目には、大学側にその点へのいい意味での「執着」が足りないのではと思います。

私は、毎年総合型選抜入試についての総括を徹底して行うくらいでないと、健全性は保てないとも思っています。合格したいと思う受験生の中には、不正など問題視しない人も混じるのはやむを得ない。性悪説を前提とすべきかはわかりませんが、少なくとも、監視の目を鋭くすべきではと思います。

そのためには、外部の目も必要でしょう。文科省の天下りになっては困りますが、入試が健全に機能しているかどうかを審査する第三者機関を設けて、チェックするのもひとつのやり方ではないかなと思います。

このままでいいとは思えませんし、ちゃんとまじめに活動している受験生や業者さんが色眼鏡で見られないためにも、大学は総合型選抜入試への透明性を確保する努力は今後も求め続けるべきでしょう。

それでは、手間がかかってしょうがないであれば、辞めればいいだけのことではないかなと思います。虚偽をコストを理由に見逃し、入学後の学生の行動をもって、問題なしとする考えは、私は間違っていると思います。



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