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あまりにありえない総合型選抜入試の現実【これでいいと思う方がどうかしているのでは?】
ヤフーに掲載された記事を読み、ちょっと衝撃を受けています。
その記事がこちら。
ツッコミどろこ満載の記事ですが、まずありえないのは、総合型選抜入試の塾らしき業者のありえなさでしょう。
「大学で学びたいことを聞くと、毎年必ず『○○はご存じでしょうか?』から始める受験生がいます。たとえば『LGBTQについてご存じでしょうか?』とか『フィンテックについてご存じでしょうか?』という問いかけから始まる。自分から問題提起をするうえで、この紋切り型を覚えてくるのかもしれませんが、目上の人間、面接官にいきなり『ご存じでしょうか?』は、印象が悪くなりますね」(Aさん)
このようなことを臆面もなく教えているのかというのは、驚愕の事実です。
業者さんは、一体、大学の先生を何だと思っているのでしょうか?
彼らは、一般人から見れば、専門分野に限れば知の巨人ですし、知性のレベルでいえば、高校生と大学の先生では、赤ちゃんと大人以上の格差があります。
『LGBTQについてご存じでしょうか?』とか『フィンテックについてご存じでしょうか?』
と問いかけることが何を意味しているのか分からずに業者さんは高校生に教えているのでしょうか。
さらに、そのことに何の疑問も持たずに面接で言ってしまう高校生も大概です。
これで、難関大に通ってしまうのであれば、一般入試の受験生が浮かばれない。
wakattetvのふーみんさんでなくても、「あかんやろ」レベルです。
また、↓の部分も問題が山積です。
「毎年かならず、面接官の質問に対して沈黙してしまう受験生がいます。その理由は、予備校などで準備してきた自己PRや質疑応答の丸暗記しか覚えていないからです。そもそも大学教員は、受験生の学力を測るために面接しているわけではありません。計画書の完成度よりも、それを踏まえたうえで、『この人は何を考えている、どういう人なのか?』に関心があるわけです。そのため、質問に正確に答えるよりも、『それはわかりません、答えられません。ただ、私はこう思います』と、会話が続くことの方が大事です」(私立大学准教授・Bさん/30代女性)
これが示していることは、大学側が掲げる理想と、現実の著しい乖離です。
この事実をもってしても、この制度の致命的な欠陥が見て取れます。
高校生としては、総合型選抜入試でどんなことをすればいいのわからないので、業者さんにアクセスする。そして、その先で教わることが、このような小手先ですらないような稚拙な付け焼き刃をレクチャーしてもらい、高いお金を払って有用性に疑問のある「知識」をインプットされるのであれば、害ですらある。
今、一般入試で批判をされているのは、単なる暗記による弊害で、考える能力の欠如が問題になっているのに、「自分で考える能力」の研鑽を積まずにいることに問題意識がないのは、致命的ではと感じます。
一般入試対策をやっている私のような立場でもそれを意識しているくらいなのに、これはありえない。
そのことに何の疑問ももたない高校生も同罪です。
あと、大学の先生の視点もどうなんでしょうか。
というのも、↓のコメントが気になります。
「大学で学びたいことを聞かれた時に、具体例が出てこない受験生は、合否ギリギリのラインにいるときに不合格になる確率が上がると思います。たとえば『どの先生のもとで、なにを学びたいですか?』と質問されたときに、志望するゼミの教員の名前やテーマが全く出てこないとき。そうすると『うちは第一志望ではないんだな』と思います。逆に、ある教員ひとりだけを暗記してきて、それ以外の情報はなにも知らない、という場合もなぜうちの大学である必要があるのか不明瞭で、マイナス印象につながりますね」(私立大学准教授・Dさん/40代女性)
このようなレベルで「学ぶ意欲」を測っているのであれば、気の利いた高校生には舐められますよ。
賢くかつ楽をもとめる高校生の「知的レベル」を甘く見ない方がいい。彼らは、天才的な嗅覚で制度の脆弱さを突いてきますから。
大学の先生も、もう少し真剣に総合型選抜入試で入学した学生の追跡調査をした方がいいのではと思います。
一定数の表裏のある学生がいることに気づくはずですし、少なくとも理想と現実のギャップは可視化されるでしょう。
GPAだけ調べればいいという話ではない。
これからは、数としては総合型選抜入試を経た学生の方が多くなる。
私立大としては、彼らは4年後に「商品」となって、企業側に買っていただく存在になり、就職実績に跳ね返ってくる。ちゃんとした学生を確保したいのであれば、制度の常時見直しは必須ではと思います。
企業の就職担当者の目は節穴じゃない。
あまりに杜撰な選抜を行えば、制度そのものに不信感が増幅するだけです。
もっと精度を高めないと、一部の業者が嘯くように、総合型選抜入試は、「コスパのよい美味しい入試」に甘んじるだけでしょう。
現実は甘くない。それはいつの時代も変わらない真実なのですから。
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