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小さな塾を辞める受験生が、ほぼ確実に失敗する理由を考える

小さな塾に勤務している私は、小さな塾だから出会う光景があります。何度かお話していることではありますが、その最たるものは、小さな塾だからという理由で辞めていく生徒および保護者の存在です。

大学受験向けの九州の塾に求められるニーズには、いくつかあります。合格実績もその一つですが、ローカルな需要に基づいています。カテゴリーとしては、大きく分けて4つです。
(1)国公立大学医学部
(2)九州大学
(3)西南学院大学・福岡大学(※)
(4)九州・中国地方を中心とした国公立大学
※医学部を除く。
マネジメント的にはどれも難しく、力量が求められます。
(1)(2)は分かるが、(3)(4)は難しくないだろうと思われるかもしれませんが、受験生というのは、みんな高偏差値の大学を目指しているわけではありませんし、(3)(4)はボリュームゾーンであり、塾経営的には無視できない要素です。また、(3)は確実に結果を求められるところでもあります。
また(4)は、その受験生にあった学校を選ぶことも大切な要素になります。

(1)で国立大学医学部と書き、(3)で福岡大学医学部を除いたのは、私立医学部は全く別世界だからです。医学予備校の乱立もあり、需要はありません。情報量の差なのか、1次合格はとれても最終合格はどの塾も苦労している印象があります。個人的にも私立医学部を目指している人は医学予備校に行くべきだろうと思います。

今回のテーマに話を戻しましょう。小さな塾を辞めた受験生は大体、失敗しています。可能な限り追跡調査をしていますが、別の塾に行って成功したという話はほとんど聞こえてきません。
このことは、随分前から情報として掴んでいることもあり、当然退塾対策として、事前にいろいろ工夫をするのですが、一定の流出は出てしまいます。

この問題が深刻だなと感じるのは、上記の(1)~(4)は、私の勤務する塾は、実績を達成していることです。合格実績があるということは、ある程度の範囲で、マネジメントのノウハウがあるということであり、塾の人間の立場では、安心して通っていただける努力はしているということでもあります。

でも流出する人は、必ず出ます。

流出する人たちに共通しているのは、「ここでない、どこかに自分を高めてくれる塾が存在する」と思っているような印象があります。

メーテルリンクの『青い鳥』のような、ここでないどこかに・・・という心理が根っこにあるのだろうと思います。

ここでないどこかが、大手予備校でないことは、↓で書きました。

問題の本質は、恐らく受験生、保護者の意識の問題なのだろうと思います。
ここでないどこかに理想郷があるという心理は、結果として足元を見つめていないということなのでしょう。

受験とは自分と向き合うことでもあります。受験突破の最大のダイナモは、自学です。
これは、塾に来ている受験生に何度となく言っていることでもあります。

自分と向き合うことなく、他力にやや傾くと隣の芝生はよく見えるということなのだろうと思います。

それが最大の敗因となる。

そんなメカニズムなのかなと感じています。



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