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福岡県宇美町の自治体バス「のるーと」の新しい発想【路線バスの概念を根本から見直すことで生じる新しい需要の可能性】

2024年の春のダイヤ改正で、西鉄バスは大幅な減便に踏み込みました。

運転士不足が主な理由ですが、労働者不足を背景もあり、今後は今の路線バスの発想では事業を維持することは難しいのかもしれません。

一部のお金持ちの人たちにとっては、どうでもいい話なのかもしれませんが、多くの人にとって、公共交通機関はとても重要な存在です。

私の周辺でもコストの問題で車を持たない選択をしている人は多く、カーシェアリングの活用は合理的な選択である一方で、自分で車の運転ができない、こどもや高齢者は、公共交通機関に頼らざるを得ない現実があります。

そんな中、福岡都市圏にある宇美町の取り組みが注目されているようです。

これまでのように、拠点間にバスを運行するのではなく、町内に200ヶ所近くに「のりば」を設定し、乗る側があらかじめ予約をすることで、発生した需要によって路線を決定するという仕組みのようです。

ITの活用のいい例だと感じます。

システム開発をした企業には、日本最大級のバスを保有している西鉄が資本参加しているようで、西鉄も未来のバスの在り方を模索しているのでしょう。

福岡市に毛細血管のようにきめ細かな路線網を敷いている西鉄バスですが、福岡市最大の繁華街である天神地区と交通の要衝である博多駅地区を結ぶ路線が、大半であり、そこから外れると極端に不便になっているのが現実でもあります。

小さな自治体では、このような集客力のある拠点に乏しいことが自治体バスの弱点でしたが、この宇美町のとりくみは、新しい需要を掘りおこすことが可能となるのではと思います。

実際に、習い事のために子供たちが活用している例もあり、保護者の負担を減らす効果も出ているのではと思います。

確かにマイカーは便利ですが、当たり前ですが家族の誰かが運転しないといけないことは、当然ネックとして存在しますし、その多くが女性が担っている点は、決していいことだとは言えない側面があります。

公共交通機関の充実はこのような先進技術の活用という点では意味があると思いますし、ライドシェアよりもいいとりくみではと思っています。


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