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遊休農地判定は今アツい技術なのか?


耕作放棄地の検出については各社取り組んでいる様子

衛星データ関連の記事を巡っていて興味深い記事を見つけました。

広島県で行われている衛星データを使った遊休農地、つまり耕作放棄地の検出、という記事です。

耕作放棄地の検出というのは私も取り組んでいるテーマですが、こちらはどう感じなんでしょうか?
ちょっと見た感じですが、解説と感想を書いてみます。

SARの特徴とは

特徴としてはSAR衛星データを使った判定方法、というのが挙げられそうです。通常衛星データ、というと下の写真のような「いわゆる写真」というデータを想像する事が多いかと思います。

豊橋市を中心としたSentinel-2画像

SARの詳しい説明は他のソースにお任せしますが、要はレーダー波の返り方を計測する事で、まるで触覚のように地表の凸凹具合を可視化出来る、というような技術です。

同じような区域でのSAR画像

なので上の写真のように凸凹具合が白黒のモノクロ画像となって出力される訳ですね。
(白い部分が出っ張っている、多分)

メリットとしては地球にかかる雲の影響を全く受けなくて済みます。特に夏場になると梅雨やら何やらで地表に雲がかかる割合が増えてきますので、それの影響を全く受けないのは大きなメリットですね。

デメリットは、映し出した画像の座標が実際の場所とは微妙にずれる場合がある、という事があります。
(特に山間地はズレが大きくなる傾向がある)
この座標のずれをどう直すかが腕の見せどころかもしれません。

どうやって放棄地の検出をしているのか?

ここからどうやって耕作放棄地の検出をしているか、については各社独自のやり方なので想像なのですが…
SAR画像を使っているという事で高さの検出を色の濃淡で判断しつつ、時系列で高さが変わっているかどうかの記録を採っているのではないかなぁ、と思っています。

やり方としてはおもしろそうですね。

一番の問題はコストかもしれない

上記の想像したやり方、あくまで個人的な視点になるのですが、現状で自分が実行するとしたら中々難しい点がありそうだ、と考えています。

と言うのも、問題はコスト。

私も実際に見積を取ってみた事があるので分かるのですが、現状、可視光衛星データよりSAR衛星データの方が単価が高い!というのが挙げられます。
これが最大のデメリットです。

また、コストに関連しますが撮影区域が限られているのも大きい。
これは理論上であれば地球上のどこの地域でもデータ入手が可能なのですが、実際に撮影するとなると想像以上の高額な金額となります。
現状だと、衛星にもよりますが日本国内でデータ取得できる地域は限られている様子です。
これ以外の地域のデータが欲しいとなると、それこそ衛星に撮影指令を出し直す必要が出てくるので、更に金額が嵩みます。
(文字通り桁が違う)

このコスト問題については、より衛星データが活用されるようになればどんどんと単価が下がっていくものだと思いますが、解決にはもう少しかかりそうですね。


と言う訳で、地図や衛星データの情報をまとめるべくnoteのマガジンを作りました!

私が共同代表を務めているGREEN OFFSHOREでは農業向けのIoTサービスを展開しています。
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