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ビニールハウス窓開閉のソフトを0から書き上げテスト運用開始

ビニールハウスの窓開閉についての開発について、順次進めている所です。この窓の開け閉めの仕組みとしてはモーターの回転を利用してビニールの開け閉め動作を行っています。


ビニール開け閉めの仕組み

ビニールの開け閉め動作の際、モーターは時計回り、反時計回りのどちらにも動作する必要があります。

横から見たビニールとモーターの図

上の図はビニールハウス巻き上げ部分の断面図のようなものです。
図中の青い丸がビニールを固定している19mmや22mm直径の棒となっていて、ビニールは通常パッカーみたいなもので、この棒に固定されています。

モーターは外部からこの棒を回転運動させています。
反時計回りをした場合、ビニールを巻き上げる方向に動きます。逆に時計回りに動いた場合はビニールを閉める方向に全体が動きますね。

ここで、一般的なモーターへの線は(便宜上)プラスマイナスの二本のみです。
という事は、単純にプラスマイナスを結線してモーターの回転動作ON/OFFという単純な仕組みとなっていますね。
またモーターの回転方向をどのように決定するかは、単純に言えば、モーターから出ている線を正向きか逆向きに接続する事で対応できます。

どのようにサービス上に実装するか

開発中の画面

外部からのサービスとしてモーターを制御する場合、まずはON/OFFを制御出来る事が第一の条件になります。
次にモーターが回転すると、それは窓を開ける方向の動作になるのか、占める方向の動作になるのか決めておく必要があります。

サービスとしては、上記の写真のように窓が開く方向はモータの時計回りなのか反時計回りなのか、という設定項目が必要になりそうですね。

窓を開け閉めする際、実際の使い方を見ると全開と全閉しか使わない、というパターンはほとんどありません。
少し開けておきたいとか半開きにしたいという、数値で言えば10%開きたいとか、そのような要求があります。

ただ、今まさに窓がどれぐらい開いているか、というのはこのモーターだけでは厳密に判断できません。
なぜなら、モーター自体はそれを動かす電線のみしか配線しておらず、現在どれぐらい回転したのかなどを把握する仕組みが備わっていないからです。

話は少し脱線しますが、中にはモーター稼働部にエンコーダーという位置を把握する仕組みを組み込んで、それで開閉位置を把握している、というのもあるようです。
が、一般的に市販で売られているものにはそのような仕組みはありませんね。
ステッピングモーターも近い部類になるのですが、こちらは回転数が数百rpmなどの話になります。
ビニールハウスの窓開閉に使うモーターはせいぜい数rpm、つまり一分間に数回転しかしません。

そこで、実際に開け閉めをおこなってどれぐらい時間がかかるのかを測定し、それを設定項目にする、というのが第三の条件となります。
開閉にかかった秒数と今動作させた秒数の比を取って、疑似的に開度を計算する事が出来るようになります。

今回、ビニール窓の開閉については手動運転、スケジュール運転、温度連動運転という形をとりました。

手動運転はスマートフォンからリモコンのように開度を指定して動作させます。
スケジュール運転は時刻を基準にして開度を指定します。10:00や12:00といった絶対的な時間も指定できますし、日の出や日の入時刻を基準に-60分~60分までの相対的な時間についても設定が可能となりました。

農業の現場では日射を基準にして行動を決める、という事がままあるので、日の出日の入時間と言うのも重要になりますからね。

実際に現場で運用を始めてみる

ここまで作成して、実際のビニールハウスで試験運用を始めてみましょう。
今回はトップ写真にあった手動の側窓開閉装置を置き換えて、私たちが0から作った開閉装置に切り替えてみました。

外部からモニタする限りでは順調に動作しているようです。
この実験で安定的な運用や、より良いパラメータ設定などがあれば順次取り入れて行こうかと思っています。

ハードウェアについては、以前に作成した灌水装置を元にカスタマイズを施しました。今回はモーターという電力を比較的使う装置があります。
なので、電力的に余裕のある設計にする必要がありますね。
この辺りはまた別の機会に話せたらと思います。

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