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“国内初”ドローンのレベル4飛行による医薬品輸送を行いました!

 みなさん、こんにちは!スマートシティ推進担当です。
 スマートシティ推進担当では、令和4年度から令和6年度の3か年にかけて、民間企業によるドローンを活用した物流サービス社会実装プロジェクトの支援を行っています。
 この支援事業の中で、KDDI株式会社を代表事業者とするコンソーシアムは、令和5年12月に檜原村でレベル4飛行による国内初の医薬品輸送を行いました!今回の記事では、その様子をご紹介します!


▷今回のプロジェクトについて

 KDDI株式会社、KDDIスマートドローン株式会社、日本航空株式会社、東日本旅客鉄道株式会社、株式会社ウェザーニューズ、株式会社メディセオからなるKDDIコンソーシアム(以下「KDDIコンソ」という。)は、昨年度に引き続き、医薬品輸送プロジェクトを行っています。
 昨年度KDDIコンソは、あきる野市内の医療機関と検査機関との間で、研究用検体の輸送を行いました。

 KDDIコンソによる昨年度のドローン輸送プロジェクトの記事はこちら↓

 そして今年度は檜原村にて、国内で初めて、レベル4飛行による医薬品輸送にチャレンジしました! 今回の実証では、檜原診療所と桧原サナホーム(特別養護老人ホーム)間を結び、医薬品をドローンで輸送します。飛行ルートは以下のとおりです!

【飛行ルート】檜原診療所―桧原サナホーム (往復約4.8 km)

▷レベル4飛行とその意義

 レベル4飛行とは、有人地帯における目視外飛行、つまり、第三者の上空において、操縦者が機体や周囲の状況を直接目で見ることができない状態でドローンを飛行させることを指します。
 レベル4飛行では、飛行経路下における第三者の立入を制限するための周囲の監視を行う補助者の配置を省略でき、第三者の上空でドローンを飛行させることができます。
 補助者の配置の省略によりコストダウンに繋がり、また、第三者上空での飛行が可能なため効率的な飛行ルートを設定することができます。
 レベル4飛行により、採算確保が必要な物流分野などでドローンの活用が期待できるようになります!

▷レベル4飛行による医薬品輸送実証の様子

 ここからは、レベル4飛行による医薬品輸送実証の様子をご紹介します!

【檜原診療所駐車場】

 ここは今回の離発着地点である檜原診療所の駐車場です。

 檜原診療所の駐車場でレベル4飛行に向けて飛行前点検が行われています。今回は有人地帯において、目視外でドローンを飛行させますので、安全運航のために入念に機体をチェックします。

 檜原診療所駐車場で飛行前点検を見学させていただいた後、もう一つの離着陸地点、桧原サナホームへと向かいました。

【桧原サナホーム、小沢コミュニティセンター】

 桧原サナホームに到着しました。
上の写真左側の建物が桧原サナホームです。また、写真右側に見える建物は小沢コミュニティセンターです。
 今回の飛行実証では、ドローンを目視して操縦する人や周囲の監視を行う補助者を配置しない代わりに、運航管理室を設置してドローンの運航を遠隔で行いました。
 本実証では桧原サナホームのお隣、小沢コミュニティセンターのご厚意で、ドローンの運航管理室をコミュニティセンター内に設置することができたので、運航管理室も見学しました。

【運航管理室】

 運航管理室ではドローンの運航準備が行われています。ドローンの運航は運航管理室で行うことができるので、その場にいなくても運行管理室から遠隔でドローンを飛行させることができます。
 運行管理室は荷物の輸送場所から遠く離れた場所に設置することも可能なので、将来のドローン物流サービスのビジネス化において非常に有効です。

 しばらく運航管理室を見学していると、ドローン飛行開始の操作が行われました。
 檜原診療所からこちらにドローンが向かっているとのことなので、桧原サナホーム屋上に移動しました。

【桧原サナホーム屋上からの眺め】

 ドローンは檜原診療所―桧原サナホーム間の往復約4.8㎞を、約15分で飛行します。
 ドローンが桧原サナホーム屋上に向かう際は、上の写真で確認できる、幹線道路や民家上空(有人地帯)を横断します。

 さて、筆者たちが桧原サナホームの屋上に到着して数分後、檜原診療所からやってきたドローンが見えてきました!

 ドローンが木々の上から見えてからすぐに、桧原サナホーム上空に到着しました!

 ドローンは屋上の上空からゆっくりと降下して着陸しました。荷物(医薬品)の入った箱は自動でドローンから屋上に降ろされ、檜原診療所からの医薬品を届けてくれました。ドローンが荷物を自動で降ろすので、ドローンからの荷降ろしを人が行う必要はありません。

 ドローンはスムーズに荷物を屋上に降ろすと、檜原診療所へと戻っていきました。

 ドローンが去った後、ドローンが輸送した荷物の中身を見せてもらいました。荷物の中身は第三類医薬品です。医薬品が入った袋には鍵がかかっています。
 医薬品の輸送については細心の注意が必要で、決められた人が受け取り、管理を行う必要があります。医薬品の輸送については、「ドローンによる医薬品配送に関するガイドライン」が定められており、今回の実証でもガイドラインに則った輸送方法がとられています。

 荷物が桧原サナホームに届き、再びドローンが檜原診療所に戻ったところで実証は終了です。

▷おわりに

 今回はレベル4飛行による国内初の医薬品輸送の様子をお届けしました。
 レベル4飛行は最も難易度が高い飛行ですが、今回の実証で行うことができました!
 レベル4飛行での医薬品輸送の成功は、ドローン物流の早期の社会実装に繋がる大きな一歩になったと思います。ドローン物流の社会実装に向けて、クリアしなければならない課題はまだまだありますが、1日でも早く都内でドローン物流の実装ができるよう、引き続き支援を行っていきます!