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学校でスマホ没収!?問題点や代替案はある?

学校という空間では、家庭と違い学校それぞれのルールがあります。現代では子どももスマホを使うケースが増えてきており、それは学校という場においても同様です。

しかし、学校において子どもがスマホを適切に使わなかった場合、あるいは使い過ぎなど、不適切な使い方をした場合には、教職員などにより「スマホ没収」といった措置がとられることがあります。

スマホの没収は「やりすぎ」と考える親も多いでしょうが、教職員としては「やむを得ず没収する」という理由もありそうなものです。

スマホを没収することに対する教職員・親子のそれぞれの立場と、両者が納得できるようなルールづくりについて、以下に解説していきます。


1. スマホの没収はやりすぎ?教職員の立場

教職員にとっては、学校はあくまで「学習を行う場」です。教職員から見れば、スマホは友達と連絡をとったり、ゲームや動画サイトを楽しんだりする、というように、学習以外の利用のほうを連想してしまう部分はあるでしょう。

また、授業中や休憩時間に子どもがずっとスマホを使ってしまうような状態であったりすると、それは子どもの正常な学習を妨げる機械と判断せざるを得ないでしょう。
さらに、近年ではスマホを使って写真や動画を使い、いじめの様子を録画してSNSに投稿したりすることや、SNS上でいじめを行う、いわゆる「ネットいじめ」のための道具としてスマホが利用されてしまうケースもあります。

このような使い方を教職員が見かけてしまったときに、緊急的にスマホを没収したり、あるいはそうした事態を予防するために、危険な兆候を確認したときにスマホを没収する、という措置は、ある程度合理性があるともいえるでしょう。


2. 親や子どもから見ると「スマホ没収」は不当に映ることも

一方、スマホを没収された当事者である子どもや、その親から見た場合、教職員が行う「スマホ没収」という措置はどのように映るでしょうか。

教職員からすると「スマホ没収はやむを得ずした措置だ」と言われても、親は自分が買い与えたスマホを没収されてしまうことになり、学校にいる間、子どもとの連絡のために渡しているスマホが使えなくなってしまうという実質的な不便が生じます。
また、スマホを没収することにはそれだけではなく、子どものプライバシーの侵害、人権に対する問題を生じる可能性もあります。

教職員が「子どもからスマホを没収する」という行動をしなければならなかった正当な理由や、そう判断するに至った理由を親や子どもに説明できなければ、子どもからスマホを没収するという措置は、親や子どもから見て正当とはみなされにくいでしょう。


3. スマホ没収の代替案やルール策定

教職員としては、学校という場所において、スマホを「適切に利用」してくれれば、あえて没収したりはしないという言い分になるわけですが、なかなかそれを統一したルールとして展開することは難しいでしょう。
各々の子ども自身や各家庭によって、スマホ没収に至る判断基準の正当性も変わってくる可能性があるためです。

このような場合は、子どもの年齢によっては親・保護者も交えて「学校におけるスマホの適切な利用」の考え方をある程度すり合わせておくという努力が必要となるでしょう。
そうして、親・教職員ら「大人」が考える適切な範囲を越えた利用を子どもがした際に、はじめてルールが適用されるという体制であれば、スマホ没収が教職員の恣意的な判断で行われているのではないか?という疑念を抱かせづらいでしょう。

また、子どももルールの重要性を理解する余地があり、ルール違反に対する罰として機能する可能性が高いといえます。
また、「没収」というやり方も、たとえば職員室で預かることが子どものプライバシーに関わると考える場合には、授業の時間中のみ教師の近くの箱に預ける、没収するのではなく電源を切ってカバンにしまうようにする、などのルールが有効である場合もあります。


4. 家庭でも学校でのスマホ利用のルール確認は必須

学校でのスマホ利用について、どのような利用が「適切」であるのかは、各学校や教職員により変わる部分があることは否めません。
しかし、共通しているのは、授業中にスマホでゲームをしていたり、動画サイトを見ているなどの利用が「適正」と判断される可能性は低いということです。

こうした、「授業中は授業に集中しスマホを見ない」「スマホを利用してよいシーンかどうかを判断して使う」というような基本的なルールについては、家庭で子どもにしっかりそのルール・判断基準などを教育しておくことは必須であるといえるでしょう。


まとめ

この記事では、学校における「スマホ没収」の問題について解説しました。スマホ没収は、杓子定規に考えれば「子どもの持ち物を教師が勝手に没収した!」と判断してしまいがちですし、視点を変えれば「学校での使用ルールを守らなかったから没収した!」と、両者が平行線となってしまう危険性があります。

重要なのはスマホを没収することではなく、学校では適切に勉強に集中したり、スマホを利用してよいシーンかどうかを判断できるようになることです。

このようなことも合わせて考えることで、親・教職員・子どもの全員が、スマホの没収という末節の問題を越えて、子どもとスマホとの付き合い方というより広いテーマでこの問題に向き合うことができるでしょう。