空想に耽る話~クラムボンの正体~
KURAMUBON
仕事が夜になると、夜の温泉に入って帰ることがよくあります。
真っ暗な露天風呂に一人で浸かってると、なんか、いろんなことが思い浮かんできたりして....
温まりながら空想に耽るのは、とっても贅沢な時間に感じます。
暗がりの中、現れては消えていく空想を楽しんでると、何故か、私は宮沢賢治を思い出したりするのです。
教科書に載っていた賢治の話で「やまなし」という川底の蟹の兄弟の様子を描いたものがありましたよね。
短いお話なんですが、冒頭が、とてもとても印象的な話です。
(以下、引用)
小さな谷川の底を写した二枚の青い幻燈です。
~五月~
二ひきの蟹の子供らが青じろい水の底で話していました。
『クラムボンはわらったよ。』
『クラムボンはかぷかぷわらったよ。』
『クラムボンは跳ねてわらったよ。』
『クラムボンはかぷかぷわらったよ。』
蟹の兄弟の会話に出てくる「クラムボン」...
兄弟たちが、何かをたとえて「クラムボン」と名付けてるのですが
かぷかぷ笑うらしいんですが、正体はわからないんですよね。
授業の中でも、ここがポイントとなって話し合ったりしましたね~。
いろんな意見が出たのですが、この「クラムボン」の正体について、明確な答はなかったような記憶があります。
「クラムボン」の正体については諸説あるらしく
水中を漂う泡説
水面を水中から見た光説
またまた人社会を風刺した人間説など様々です。
正直、大人になった今でも「クラムボン」の正体はハッキリとしないのですが、考えていると、とても楽しかったりします。
浮かんでは消える「クラムボン」のイメージは、ゆらゆらと、とらえどころがなく...、ホント、川底の幻燈のように思えるのです。
もしかしたら、そんな、現れては消える「人のイマジネーション」そのものが「クラムボン」の正体なのかもしれませんね__。
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