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一人暮らしについて

living alone



 その昔、一人暮らしって、すごく憧れがあったのですが、実際はけっこう大変だったな~って、今ではそう思います。

 基本、自分はアパートでの一人暮らしだったのですが、世の中にはいろんなカタチの暮らし方があって、中にはちょっとうらやましいスタイルもあったりするのです。


 それが、楽しい ”下宿” 系だったりするのですが、アパートでの一人暮らしに比べて、下宿は共同生活の部分が多く、ちょっと抵抗があるものの、一緒に暮らす人によってはすごく楽しいのかなって思います。

 アパートでの一人暮らしは気楽なんですが、やっぱり寂しい時があって、そんな時、下宿とかも悪くないのかもって思ったりするのです。


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 辻村深月さんの『スロウハイツの神様』は、クリエーターたちが共同生活をしているハイツが舞台となる物語です。 

     こういう生活って、憧れたんですよね〜

人気作家チヨダ・コーキの小説で人が死んだ―あの事件から十年。アパート「スロウハイツ」ではオーナーである脚本家の赤羽環とコーキ、そして友人たちが共同生活を送っていた。夢を語り、物語を作る。好きなことに没頭し、刺激し合っていた6人。空室だった201号室に、新たな住人がやってくるまでは。


 隣の部屋はアパートのお隣さんとは違って、ひとつ屋根の下の同居人といった風情です。
 クリエーターとして集められているので、濃いめな人間関係もありますが、適度な距離感もあって、ホント、楽しそうな感じなのです。

    もちろん、物語では、ちょっと問題が巻き起こっていくわけなのですが、けっこう距離感の在り方とか羨ましいんですよね。




 こういう関係に憧れる気持ちって、もしかすると、学生時代に読んでいたマンガの影響があるのかな、と思ったりもするんですよね。

青春ものと言えば、昔はアパートより下宿だった気がします。

 あだち充さんの『陽あたり良好』

下宿屋を営むおばの家から、明条高校に通うことになった“かすみ”。ところがそこには、同じ高校の四人の男子生徒が下宿! BFの克彦を一途に思うかすみだが、調子のいい下宿人・高杉勇作がなぜか気になって・・・。


高橋留美子さんの『めぞん一刻』

とある街の時計坂に建つアパート「一刻館」。
人より苦労を背負い込んでしまう世渡り下手な浪人生“五代裕作"と、
一刻館の美人管理人“音無響子"。
二人の織り成す恋愛模様と、常識はずれで多彩な住人達との日常が
おんぼろアパート「一刻館」で繰り広げられる。



 正確には『めぞん一刻』は下宿ではなくアパートなんですが、雰囲気は同質なんです。
 どちらも、ラブコメなんですが、その他の住人とも、一緒に暮らしていくうちに、そこにはいつか家族のような雰囲気が漂ってくるんですよね。そういう雰囲気に憧れちゃうのです。


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 まあ、物語の中では、個性的で面白い住人との共同生活なのですが、現実では、そう上手く行くわけではなく、他の住人と合う合わない問題は生じますよね。

 でも、その思い通りにならないのが共同生活の良さでもあるのです。


 もともと、外国では、ステイホーム的な下宿スタイルは一般的だし、国内でもソーシャル・アパートメントみたいに、共同スペースが充実したスタイルも人気です。

 そこには、人間関係の距離のあり方や、コミュニケーションの機会の考え方が大きく関係していると思うのですが、自分がなかなか出来なかった分、共同生活の上手な方がうらやましくて仕方がなかったりするのです。

    いつか、また、挑戦してみたい……かな。