今年読んだ新作海外ミステリー(読書回顧2020)
年末になってきて、各種ランキングが気になる時期がやってきましたね~。基本、ミーハーな私にとって各種ランキングは面白い本との出会いの場であったりします。
自分の読書は、まだまだ、各種ランキング等で一定の評価のある作品を読むことが中心なのですが、最近では、少しずつランキング前の新作本も読むようになってきました。
自分の読んだ本がランキングに入ってたりすると、妙に嬉しかったりするんですよね~、これがまた。
それで今回は、自分が読んだ今年の新作海外ミステリーについて”note”していきたいと思います。
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まあ、新作本を読むようになったといっても10冊程度で、まるまるランキングを予想するのはおこがましく、ランキング圏内と考える作品を紹介します。
想定するのは、自分が毎年楽しみにしている「このミステリーがすごい!2021」の海外作品ランキングです。
★★★ ランキング10位圏内予想作品 ★★★
まずは、10位以内ランキングの想定作品。
①『死亡通知書 暗黒者』
周 浩暉 著
まず、最初に紹介するのは、以前も"note"した『死亡通知書 暗黒者』。
近年、続々と翻訳されるようになった”華文ミステリー”において、陳 浩基、陸 秋槎に続く第三の刺客として紹介された”周 浩暉”の作品です。
今年読んだ中では、抜群にエンターテイメントしてました。
本格としては薄味ですが、名探偵対怪人の構図は、乱歩で育った自分にとっては懐かしくもあり、夢中になって読んでしまいました。
これは10位圏内というだけでなく、ベスト3にも入ってくるんじゃないかと期待しています。
②『ストーンサークルの殺人』
M・W・クレイヴン 著
新鋭作家M・W・クレイヴンの英国推理作家協会賞ゴールドダガー賞受賞作。前評判にたがわず面白かったです。
ストーンサークルで起きる連続殺人の焼死体に刻まれた刑事の名前が発端となって、捜査が動き始める序盤から引き込まれます。
主人公の刑事も良いのですが、相棒となる分析官ティリー・ブラッドショーのキャラがとっても魅力的なんですよね。
ティリーは、世間知らずでコミュニケーション能力に難ありの女性なんですが、”IQ 200”で、分析力はコンピューターなみというの超天才!です。この女性と 主人公のコンビが良くて、既に、続編が出てるということです。
③『その裁きは死』
アンソニー・ホロヴィッツ 著
なんと、このミスでは『カササギ殺人事件』、『メインテーマは殺人』と、2年連続でランキング1位だったホロヴィッツの新翻訳本です。
『メインテーマは殺人』の第2弾が本書なのですが、やっぱり期待を裏切りません!
ただ、3年連続がどうだろうということで、5位圏内ぐらいの予想です。
④『網内人』
陳 浩基 著
華文ミステリーブームを牽引する陳 浩基の最新翻訳本です。
傑作『13・67』と比較すると物足りない部分はたくさんあるのですが、ネット探偵アニエのキャラクターによって、10位以内にランキングされるのではないかと思っています。
探偵アニエは凄腕のホワイトハッカーなのですが、作中にはアニエの上をいく人物も示されていて、まだ書かれてはいませんが、今後の続編も期待したいと思います。
★★★ ランキング11位~20位圏内予想作品 ★★★
次に11位~20位以内ランキング予想作品。
⑤『時計仕掛けの歪んだ罠』
アルネ・ダール 著
あまりにもタイトルが魅力的過ぎて、手に取ってしまった一冊なのですが、本格というよりもサスペンスが中心です。
とは言え、第1章と第2章、そして第3章と、視点がガラッと変えられるいくので、謎解きよりも、この展開が楽しかったりしました。
20位圏内作品としていますが、魅力的なことは間違いなくて、もしかすると、10位圏内もあるかも.....
⑥『笑う死体 マンチェスター市警 エイダン・ウェイツ』
ジョセフ・ノックス 著
あまり評判にならない地味なシリーズの2作目なんですが、意外と面白かったんですよね。
少なくとも、前作より楽しく読めました。
いろいろ背負っている主人公なんですが、コンビを組んでる、むちゃくちゃ嫌な上司が、最後の方で印象が変わるという.... 謎解きもなかなかトリッキーな感じで、もっと話題になってもいいのにって思っています。
⑦『ネヴァー・ゲーム』
ジェフリー・ディーヴァー 著
ディーヴァーといえば、四肢麻痺の元科学捜査官リンカーン・ライムシリーズで有名ですが、そのディーヴァーの新しいシリーズ。
まあ、どうなんだろうと思って読んだのですが、やっぱり面白かったです。
科学捜査が中心のライムに比べて、この本の主人公コルター・ショウが武器とするのはサバイバル術、でも、頭脳の明晰さ、経験に基づく閃きはライムにも負けてなくて、とても魅力的でした。
⑧『特捜部Q―アサドの祈り―』
ユッシ・エーズラ・オールスン 著
北欧ミステリーの代表みたいな感じですが、シリーズ通しての謎がいくつかあって、そのうちのひとつ、主人公カールの相棒、アサドの過去が語られるのが本作です。
シリーズ第8弾なんですが、面白さが変わらないのが、このシリーズのすごさです。
⑨『探偵コナン・ドイル』
ブラッドリー・ハーパー著
いわゆる”切り裂きジャック”ものの作品なのですが、立ち向かう3人のチームが楽しい一作でした。
主人公であるコナン・ドイルよりも、協力者のマーガレットが魅力的だったりするんですよね。
インパクトは少なく、ミステリーとしては薄味ですが、シャーロック・ホームズ、いや、コナン・ドイル愛に溢れる作品です。
★★★ ダークホース予想作品 ★★★
さて、最後は、もしかするとって作品について....
⑩『三体Ⅱ』
劉 慈欣 著
ご存知、ベストセラーの華文SFですが、実は話の構図はミステリーだったりするんですよね!
謎の「面壁計画」を巡って、三体人と4人の面壁者が知恵を絞りあうストーリーなんですが、最後、「面壁計画」の全貌が解き明かされるときなんて、ミステリーのカタストロフィが味わえるんですよね~。
ジャンル違いではありますが、こっちでランキングされていても不思議はない本なので、ダークホース作品として追記しときます。
毎年、楽しみにしているランキング本、読み逃してる本は、来年、じっくり読んでいきたいと思ってます。
発売は12月4日です!
(関係note)
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