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渡辺美里の"岡村ちゃん"SONG-BOOK


 久しぶりの "note" なんですが、いつの間にか季節は夏ですね~
 そして私にとって夏が近づくと聴きたくなるアーティストの一人 渡辺美里さん についての記事になります。

 渡辺美里さんにはたくさんのヒット曲がありますが、私が特に偏愛してる一曲が、15枚目のシングルだった「虹をみたかい」なんです。

「虹をみたかい」1989.10

 作詞:渡辺美里/作・編曲:岡村靖幸

 ムチャクチャ好きなんですよね~、この曲
 当時、「聖書 (バイブル)」や「だいすき」で全盛期を迎えていた岡村靖幸さんの変態ちっくな曲に、渡辺美里さんの詞とパワフルなヴォーカルが高い次元で融合した傑作だと思うんです。
 岡村靖幸さんはコーラスでも参加してるので、曲の後半で聴ける二人の掛け合いも心地よすぎるのです~

 このコンビは渡辺美里さんのデビュー初期から90年代前半までよく見かけていて、数えると1993年の8thアルバム『BIG WAVE』まで、計23曲あるんです。

 ということで、今回は、岡村靖幸さんがソングライティングした曲のみを紹介していきますので、ここでは「My Revolution」も「恋したっていいじゃない」も「サマータイム ブルース」も出てきませんので悪しからずです!


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■ ■ 岡村ちゃんソロデビュー以前 ■ ■

 1986年1月にリリースした「My Revolution」で大ブレイクを果たした渡辺美里さんなんですが、当時、「My Revolution」が収録されたアルバムは出てなくて、遡って聴いていたのが、1stアルバムの『eyes』です。

『eyes』1985.10

 作曲では、小室哲哉さんが3曲(インスト含む)、木根尚登さんと大江千里さん、 白井貴子さん、 亀井登志夫さんがそれぞれ1曲ずつ、そして、ソロデビュー前の岡村靖幸さんが4曲提供しています。

(岡村ちゃん提供曲)
「GROWIN' UP」*2ndシングル
「すべて君のため」
「Lazy Crazy Blueberry Pie」
「Bye Bye Yesterday」

 このアルバムからの紹介曲は、洋楽カバーでデビューした渡辺美里さんにとって、記念すべきオリジナルデビュー作となった「GROWIN' UP」とアルバムの最後に収録されていた「Bye Bye Yesterday」の2曲です。


「GROWIN' UP」

 作詞:神沢礼江/作曲:岡村靖幸/編曲:後藤次利

 ノリのいい曲なんですよね~。
 実質的な岡村靖幸さんの作曲家デビューでもある曲です。
 全盛期の岡村ちゃんの変態さはありませんが、ポップな中にもグルーブのある曲なのです。


「Bye Bye Yesterday」

 作詞:渡辺美里/作曲:岡村靖幸/編曲:清水信之

 イントロで聴こえるタンバリンが岡村ちゃんを感じさせますよね~
 この曲も実は記念すべき曲で、初めての作詞:渡辺美里/作曲:岡村靖幸のコンビ曲だったりするんです。
 渡辺美里さんの歌詞って、歌声と一緒で ”真っ直ぐ” なイメージなんで、岡村靖幸さんの変態っぽいリズムといい具合に絡んで、すごく聴きやすくなる気がするんですよね。


 さて、「My Revolution」でメジャーシーンに躍り出た渡辺美里さんが満を持してリリースしたのが、2ndアルバム『Lovin' you』です。

『Lovin' you』1986.7

 このアルバム、CD2枚組、全20曲の大作だったんですよね~。
 でも、かなりヒットしました。
 作曲は小室哲哉さんが「My Revolution」を含む8曲、そして岡村靖幸さんも8曲と、この二人がメインライターでした。

(岡村ちゃん提供曲)
「Long Night」*6thシングル
「素敵になりたい」
「19才の秘かな欲望」
「Resistance」
「悲しき願い〜Here&There〜」
「みつめていたい〜Restin' in Your Room〜」*4thシングル c/w
「A Happy Ending」
「Lovin' you」

 質・量ともに大満足だったアルバムなんですが、岡村靖幸さんの曲も名曲ぞろいなのです。
 全部、紹介したいところなんですが、次の3曲をセレクトします。


「19才の秘かな欲望」

 作詞: 戸沢暢美/作曲:岡村靖幸/編曲:大村雅朗

 どうなんでしょう、タイトル自体 ”岡村ちゃんワールド” って感じなのですが、どこら辺まで影響してるんでしょうね。
 でも、後日、岡村さん自身もセルフカバーしてるぐらいですから、やっぱ、そうなのかもしれません。


「悲しき願い〜Here&There〜」

 作詞:渡辺美里/作曲:岡村靖幸/編曲:大村雅朗

 CDの2枚目の1曲目に配されていたんですが、Disc1が ”Here” サイド、Disc2が ”There” サイドと称されていたので、まさに2枚をつなぐ曲なんです。
 シャウトしてるし、ロックしてるんです!


「Lovin' you」

 作詞:渡辺美里/作曲:岡村靖幸/編曲:大村雅朗

 そして、アルバムラストを飾っていたのがタイトル曲でもある「Lovin' you」なんですが、どこか神々しさを感じる名曲なんです。
 このアルバムを思い出す時、私にとっては、いつもこの曲が流れてるのです。


■ ■ 岡村ちゃんソロデビュー後 ■ ■

 1986年12月に岡村靖幸さんはソロデビューするんですが、そのきっかけが渡辺美里さんのレコーディングに立ち会った時に踊りまくってた姿が目に留まって…  というのは有名なエピソードです。
 デビュー後は、忙しくなったためか、渡辺美里さんへの提供曲は減っていくんですよね。

(岡村ちゃん提供曲)
「Half Moon」*5thシングル c/w
「シャララ」アルバム『ribbon』収録
「跳べ模型ヒコーキ」アルバム『Flower bed』収録
「冷たいミルク」アルバム『Flower bed』収録
「虹をみたかい」*15thシングル
「はだかの気持」アルバム『Lucky』収録
「泣いちゃいそうだよ」*23thシングル

 曲数は減りましたが、冒頭で紹介した「虹をみたかい」をはじめ傑作ぞろいです。
 この時期は岡村ちゃんの全盛期でもあるので、かなりそのテイストも強めになっています。


「Half Moon」

 作詞:渡辺美里/作・編曲:岡村靖幸

 5thシングル「BELIEVE」のカップリングだったので地味な存在の曲なんですが、岡村ちゃんの寄り添うようなコーラスも聴ける一曲です。


「泣いちゃいそうだよ」1992.6

 作詞:渡辺美里/作曲:岡村靖幸/編曲:大村雅朗

 切ないバラードの23thシングルは、「Lovin' you」と同じ作家陣で制作されました。
 冒頭の ♪ 泣いちゃいそぉ~だよぉ♫ の部分なんかは、もう美里さんと岡村ちゃんが融合してますよね~、ほんと分かち難いのです。


■ ■ 岡村ちゃん隠遁期 ■ ■

 岡村靖幸さんは、90年代前半、徐々にメディア露出しなくなって、プロデュース等が中心になっていきます。
 そんな中、久しぶりに4曲を提供した渡辺美里さんのアルバムが『BIG WAVE』です。


『BIG WAVE』1993.7

(岡村ちゃん提供曲)
「ジャングルチャイルド」
「BIG WAVE やってきた」*26ndシングル
「若きモンスターの逆襲」
さえない20代

 生音のイメージが強くて、ライブっぽさを感じた美里さんのアルバムですが、やっぱり岡村靖幸さんの曲はどれもいいんですよね~。
 ただ、このアルバムでは、渡辺美里さん自身、歌詞では岡村さんに寄せてる感じもあって、ほんとは詞・曲ともに共同制作してるんじゃないかと思ってたりします。(個人的見解ですが..)


「ジャングル チャイルド」

 作詞:渡辺美里/作曲:岡村靖幸/編曲:大村雅朗

いってやろ いってやろ
先生にいってやろ


「若きモンスターの逆襲」

 作詞:渡辺美里/作曲:岡村靖幸/編曲: Richard Dodd・Leslie Hurdle

広い宇宙を夢中で一人ヒッチハイクしていた 
TEEN AGE BLUES

 それぞれの冒頭のフレーズとか、絶対、岡村靖幸さんが書いてると思うんですよね~、どうなんでしょう、それっぽく感じませんか?


「BIG WAVE やってきた」

 作詞:渡辺美里/作曲:岡村靖幸/編曲:小林武史

 今のところ、コンビによる最後のシングルなんですが、あらためて確認すると編曲は小林武史さんなんですよね~。
 この曲は岡村靖幸さんらしさが全開なんですが、イントロのギターのうねりは岡村さんのデビューシングル「Out of Blue」を彷彿とさせて大好きな一曲なのです。

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 アルバム『BIG WAVE』以降、このコンビが見れなくなったのは寂しい限りなんですが、全23曲をプレイリストにまとめてみましたので、どうかご活用ください。

『渡辺美里の"岡村ちゃん"SONG-BOOK』


 そして、最後に二人のコンビ曲「Lovin' you」の岡村ちゃんバージョンを紹介しておきます。

風に揺らめく炎のように歌う
きみの激しさどこにいても 感じている Lovin' you

 なんか、歌詞が染みますね~
 当時、年齢の近かった二人は、きっと同じ時代を戦い抜いた ”戦友” みたいな感じだったんでしょうね。


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 今回、渡辺美里さんの記事を書いていて、そのライター陣の顔ぶれから、あらためて、あの時代の「エピックソニー」の熱さを感じました。

 1985年にデビューした渡辺美里さんなんですが、その当時、大江千里さんこそ「十人十色」やアルバム『未成年』で注目されはじめてましたが、岡村靖幸さんはデビュー前だし、小室哲哉木根尚登さんらの TM NETWORK  も、まだまだブレイク前だったんですよね。
 むしろ、小室哲哉さん作曲だった 4thシングル「My Revolution」がヒットしたことで、 TM NETWORK も注目されて、その後の「Self Control 」や「Get Wild」でのブレイクにつながっていった記憶があります。

 渡辺美里というアーティストを通じて「エピックソニー」のレーベルメイト全体がブレイクしていった感じなんです。

 そういう意味では、今回の記事は、以前、書いた記事と「エピックソニー」でつながっているのです。



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