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「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」に、SFの原風景を視る..


 3月から、妙に映画づいてる自分なんですが、金曜の夜に、話題のアニメ映画「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」を観に行ってしまいました。


「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」

 原作:浅野いにお
 監督:黒川智之
 アニメーション制作:Production +h.


 原作マンガの方は未読ですが、タイトルのインパクトが大きいし、評判を知って、ちょっと興味を惹かれてたんで、ふら~ッと仕事帰りに観に行ったんですよね。
 まあ、前半は ”想定内の物語” だったんですが、途中からは、ちょっと ”想定外の展開” もあって、その点は ”期待通り” の映画でした。
 いろいろと感想はあるんですが、この記事では、観るに当たって、興味を惹かれたポイントを中心に書いていきます。


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 惹かれたポイント①

◎クセのある絵柄

 タイトルもそうなんですが、原作マンガの浅野いにおさんの描く絵柄がいいんですよね。
 登場人物の女子高生たちを見ると、決して美少女ではなく、クセのあるキャラなんですが、キラキラしてないけど生き生きしてる感じです。

 主役のひとり、ショートにメガネの子をYOASOBIのいくらさん、もうひとりの主役、真ん中のツインテールの子をあのちゃんが演じています。
 このキャラに二人の声がマッチしてるのかってとこも興味が湧きますよね。



 惹かれたポイント②

◎Production +h.プラスエイチの新作だということ

 この「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」を制作してるのが Production +h. という制作会社なんですが、2022年に Netflix で配信された「地球外少年少女」( 監督:磯光雄)を制作したプロダクションなんです。
 磯監督の『地球外少年少女』を制作するために設立された経緯を持つ Production +h. が、次に、どんな作品を制作したか、とても興味深かったんです。

 『地球外少年少女』の方も、いろんなSF要素をミクスチャーした(日本のSFらしい)面白い作品でした。



 惹かれたポイント③

◎SFの原風景が描かれていること

 惹かれたポイントでもっとも大きな点は、この「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」には、SF界の定番といっていい光景が描かれていることです。

 東京でハイテンション女子高生ライフを送る、小山門出と “おんたん” こと中川凰蘭。
 学校や受験勉強に追われつつも毎晩オンラインゲームで盛り上がる2人が暮らす街の上空には、3年前の8月31日、突如宇宙から出現し未曽有の事態を引き起こした巨大な〈母艦〉が浮かんでいた

公式ホームページから

 都市の上空に浮かぶ巨大な宇宙船

 自分自身、この光景にワクワクするんですよね~。
 これまでも様々な映画で描かれてきた光景です。
 たとえば「インデペンデンス・デイ」(1996)や「第9地区」(2009)、私と同世代の方には、80年代にレンタルビデオでブームを作った海外ドラマ「V/ビジター」(1983)などなど、お馴染みの光景だと思うんですよね。

「インデペンデンス・デイ」
「V」


 そして、このビジュアルの元ネタとなっているのが、SF作家の巨匠:アーサー・C・クラークの名作「幼年期の終り」なんです。

 「幼年期の終り」では、世界の主要都市上空に巨大な宇宙船が出現することから始まるんです。
 各都市の空を覆う巨大な宇宙船_
 クラークが描くスケールの大きなビジョンにSFを感じたんですよね~、読んだ当時、とてもわくわくしました。
 そして、先述の通り、この光景は後のSF映画等に大きな影響を与えることになるんです。
 いわば、SF界の ”原風景” のひとつだと思うんですよね。

 本家である「幼年期の終り」では、「インデペンデンス・デイ」や「V/ビジター」とは違って、巨大な宇宙船が登場した後、不可思議な現象が起こり始め、さて宇宙船の真の目的は… みたいな展開となるんです。
 この「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」で、SF界の ”原風景” である東京上空に現れた巨大宇宙船が、どんな目的で、どんな風に描かれていくのか、とっても気になっちゃったんです。(気になりますよね。うんうん。)


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 さて、実際、観に行ってみてどうだったか…
 ネタバレ無しで言うなら…

 二部作の ”前章” である本作は、「起承転結」で言えば「承」に差し掛かったぐらいな感じで、ほぼ「起」に思えました。
 なので、今のところ、全然、わかりません!

 わからないことばかりなんで ”後章” を観ないと何とも言えないのですが、謎の巨大宇宙船の下という不安定な「日常」が、徐々に「非日常」から浸食されていくような感じは面白かったです!
 また、この ”前章” の最後の引きはかなり衝撃的で、これ、どうなんの?!って続きが気になって仕方がないのです。
 このモヤモヤを ”後章” まで待つのは辛くて、原作マンガに手を出そうかどうしようか、今、葛藤してるとこなのです。(ほんと、悩んでいます…)
 だから、ほんとは一気に観た方がいい作品かもしれません…

 モヤモヤ好きの方には大満足だと思います!

 あと、主人公の二人の少女を演じた、YOASOBIのいくらさんとあのちゃんは、思いのほかハマっていて、とても良かったです!

ano feat. 幾田りら 「絶絶絶絶対聖域 」


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