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ムーミン谷がある国のかがり火

Muumilaakso Juhannus kokko


 あまり日本ではポピュラーでないのですが、北欧の国では夏至を祝して夏至祭が行われます。

 

 夏至祭と聞くと、まず、自分が思い出すのは、子ども頃に読んだ「ムーミン谷の夏まつり」という話です。

 フィンランドの児童文学作家トーベ・ヤンソンが創造したムーミンシリーズの中の1作ですが、ムーミンたちの暮らすムーミン谷が海底火山の爆発により洪水に襲われてしまうという恐ろしい状況の物語だったりします。

 

 この話の中で、夏祭りの時期が6月になっているのですが、当時、小学生だった自分にとって、この夏祭りの時期に違和感を感じたのを憶えています。

 その後、作者のトーベ・ヤンソンがフィンランドという国の作家であること、また、北欧では、夏至祭という催事があることを知っていくと、ムーミン谷の夏祭りが夏至祭のことだったのだと理解できるようにったので、余計に印象的だったのかもしれません。

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 そういえば、火を焚くシーンもあったような気がします。

 ちなみに、この話の中では、あのニョロニョロの誕生の様子が描かれてたりして(子どもの頃はけっこうショッキングでした)、なかなか読み処が満載な作品だと思いますので、ぜひ、ご一読を!


   また、この話に限らず、ムーミンシリーズでは、凍えるような冬の厳しさや、森の暗さ、(時には彗星の脅威)など、畏怖すべき自然の姿も描かれていた気がします。そんな自然と共存しているムーミン谷の人々は、ヤンソンの実感から地続きな感覚なのだと思います。

 




 


 夏至祭では、悪魔を追い払い豊作を祈るため、火を焚き大騒ぎをすることが習わしとされています。

 緯度の高い北欧では、夏至の時期には夜でも薄明るく、そんな中で焚かれるかがり火は、きっと、すごく幻想的な光景なんだろうなって思います。


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 子どもの頃、ムーミン谷から感じていた風景を探しに、いつかフィンランドを訪れてみたいですね。