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『映像視聴室』

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私の好きな映像に関する部屋です。映画についてのアレコレはもちろんですが、その他、ドラマやアニメ、昔のミュージック・ビデオ、テレビCMなど、気になる映像を紹介します。
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#映画

私とパルム・ドール

 先日開幕した「カンヌ国際映画祭」___  フィルムマーケットも併せて開催されるため、毎年、世界的な注目を集める一大イベントです。  そのコンペティション部門における最高賞のことは "パルム・ドール" と呼ばれているのですが、今回は、そのパルム・ドール作品についての "note" です。  「カンヌ国際映画祭」にはどんなイメージを持たれてますか?  西欧やアメリカはもちろんですが、東欧や北欧をはじめ、中近東やアジアの作品も選ばれるということもあって、様々な国の多様な文化を感

ミニシアター再訪(エリセが結ぶ過去との時間)

mini theater revisited  前回は、大規模映画館(シネコン系)を踏まえた記事でしたが、今回はミニシアターに関する映画記事です。  自分は80年代後半のミニシアターブームに乗って、20代前半ぐらいまではミニシアターによく通っていたのです。(その後は私生活が忙しくなって、いつの間にか通わなくなっちゃってましたが…)  最後に、ミニシアターで観た映画は何だったか?  タルコフスキーかデレク・ジャーマンあたりだったような…  でも、実際は、流行っていたウ

私を映画館に誘う映画監督たち

 配信ストリーミングが普及した現在においては、新作の公開を映画館でなく配信で行うこともあって、映画館で映画を観るというのは、より能動的な趣味になった感じですね。  私自身も、Amazon-Prime-Video や Netflix をよく使ってる人ではあるんですが、やっぱり映画館で観たいと思うことがあります。  もちろん、話題作を ”今、観たい!” っていう適時性もあるんですが、映画館の魅力はそれだけじゃないんです。 (其の一) 「大画面での映像に溺れたい!」 皆、まず

映画『バグダッド・カフェ』にかけられた魔法について

 『バグダッド・カフェ』は1987年に制作された西ドイツ映画です。(原題:Out of Rosenheim)  日本でも80年代後半からのミニシアターブームの中で話題になった "いい映画" のひとつなんです。  この映画を好きな人は多いんですよね~  『ニュー・シネマ・パラダイス』なんかと同じで、あんま悪口を聴いたことがないような気がします。  かく言う私も、大学時代に観て以来、その独特の映像やストーリーにファンタジーを感じた一人です。  まあ、今になって私が語る必要も

アラン・スミシーの『ハートに火をつけて』と、デニス・ホッパーの『バックトラック』

   ちょっとマイナーな映画作品の記事です。   アラン・スミシー:Alan Smithee  この名義を知っている方は、私と同世代ぐらいの映画ファン(特にB級映画多め)の人だと思います。  ただ、知っていても、その作品を観たことがある人は限られてくるのではないかと思います。   このアラン・スミシーという名義は、アメリカ映画で2000年頃まで使用されていた架空の映画監督の名前なんです。 いろんな事情で、監督が自分の名前をクレジットすることを拒否した場合、代わ

思い出のアカデミー賞(第62回アカデミー賞)

The 62th Academy Awards  毎年、「ゴールデングローブ賞」が発表されると話題となり始めるのが、今回で95回目を迎える「アカデミー賞」です。  まあ、「アカデミー賞」は "カンヌ" や "ヴェネツィア" などの国際映画祭とは異なり、基本、アメリカ映画であったり、アメリカで公開された作品を対象とした賞です。  選考でもアメリカの世相を反映した映画が選ばれることも多いんで、私にとっては、作品賞よりもノミネート作品の方に推しがあることもしばしばなのです。  

ジュリーの伝説(俳優編)

 さてさて、ネットニュースから流れてきたニュースに刺激されて、沢田研二さんの記事を書いています。  前回は70年代のシングルを中心にした、歌手:ジュリーの記事だったのですが、今回は、私が中高生の頃に観た主演映画を中心にした、俳優:ジュリーについて ”note” していきたいと思います。 +  +  +  +  +  +  歌手:ジュリーについては、ビジュアルが強烈になってきた80年代で、ちょっと卒業しちゃったんですが、その頃、よく見始めていた映画の方では、なかなか存在感

リュック・ベッソン監督映画のイントロに関するちょっとした話

 最近、妙に映画づいてる自分なのですが、先日、プルンパーゴさんの映画記事を読んで、久しぶりにリュック・ベッソン監督の「グラン・ブルー」を観ました~。  やっぱ地中海の青は美しい!  1988年、大学生の頃、あの「サブウェイ」の監督の新作という事で、映画館に観に行ったのですが、日本で公開されたのは国際版で、公開時は「グレート・ブルー(英題は ”THE BIG BLUE” )」というタイトルでした。  海の深い青が美しい映画なんですが、冒頭はモノクロなんです。  後に来る青が

善か、悪か...(俳優クリストファー・ランバート)

Christopher Lambert  いろんな映画を観ていると、なんか偏愛してしまう俳優さんが出てきたりします。  自分がよく映画を観ていた80年代~90年代、妙に主演作を追いかけていた俳優さんの一人がクリストファー・ランバートだったりするのです。  この、何とも言えない ”面構え” のクリストファー・ランバートなんですが、この「目つきの悪さ」が魅力の一つなんですよね。  あまり善人に見えないんです…  はっきり言えば「悪人面」ですよね。  後に、あの ”アミバ”

歌う主人公たち♪(音楽映画じゃないけど主人公が歌ってます。)

Singing hero's  いつも、カテゴリーに悩む、映画と音楽の記事です。  映画を思い出すときには、場面とともに流れる主題歌や劇中歌が一体となって思い出すことがあります。  その中には、映画の中の登場人物たちが歌っているのが印象的なシーンもありますよね。  この『天使にラブソングを』みたいに、音楽が題材になってる映画だったり、そもそもミュージカル映画だったりすれば、登場人物が歌うのはごく自然なことだと思います。  でも、中には、音楽メインの映画じゃないのに、

神秘的な瞳を持つ男(俳優ルトガー・ハウアー)

Rutger Hauer  中学生から高校生にかけて、自分に影響を与えた映画のひとつが、1982年に公開された、リドリー・スコット監督の『ブレードランナー』です。  この『ブレードランナー』の中で、特に魅力的に感じたのが、主人公の敵役となるレプリカントを演じたルトガー・ハウアーでした。  造られた存在であるレプリカント役ですから、人間らしさではなく、”人間っぽさ” を演じてたわけなのです。  それがルトガー・ハウアーにピッタリだったんですよね。  多分、あの”青い瞳”

私の10代を飾った'80s青春映画

the teen movie  けっこう映画好きだった10代の自分...  その10代で観た青春映画と言えば、邦画では、角川映画中心で、薬師丸ひろ子さんや原田知世さんの作品が印象深いのですが、洋画の方でというと、観た映画は限られてたりします。  洋画では基本、アクションやSF映画を好んで観に行っていたので、”青春映画” になると、少し足が遠のくんですよね~。  もちろん、サントラが大流行した『フラッシュダンス(1983)』や『フットルース(1984)』、『トップガン(

砂の嵐

 「砂の嵐」という題ですが、小説や映画のタイトルではありません。ましてや、湾岸戦争における「砂漠の嵐作戦」のことでもありません。  昔のテレビでは、番組が終了した後、画面がノイズ状態になってたのですが、その画面を称して「砂の嵐」と呼んでいたのです。(ですよね。)  なんで「砂の嵐」の記事かというと、実は、昨夜、久しぶりにテレビを点けっぱなしで寝てしまって、変な時間に目を覚ましたら、テレビ画面にはカラーバーが表示されてたんですよね。  そうなんです、地上波がデジタル放送に

007シリーズのオープニング全部観る③

Ian Fleming's James Bond / 007  007シリーズの第25作「ノー・タイム・トゥ・ダイ」の公開を記念して、これまでのシリーズのオープニングタイトルを全部観る記事の第3弾です。  今回は五代目ジェームズ・ボンド:ピアース・プロスナン版と、六代目:ダニエル・クレイグ版をまとめています。  このシリーズ記事もいよいよ最後なのですが、プロスナン版とクレイグ版を紹介するに当たっては、ジェームズ・ボンドの生みの親、イアン・フレミングの原作に触れておく必