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誰かに話を聞いてほしくて、電話をリダイヤルしまくる ~とあるOLの乳がん日記【67】

67.

次の日になってもやっぱり状況はあまり変わらなくて、ずっと気持ちは落ち着かないままで、本当は病院に行って気を紛らわしたかったけれど、今日は土曜日で、しかも三連休だった。

このしんどい状態をなんとか抜け出したくて、また「おっさん」さんに話を聞いてもらおうかと思ったけれど、今連絡しても、きっと会えるのはずっと先になると思ったのでやめた。
前に行った乳がん患者さんの集まりはどうだろうと思って、ホームページを見たけれど、次の開催日は未定だった。

眠れないので、がん患者さんのブログを読んだり、こういう私みたいな人の話を聞いてくれるようなサービスがあるんじゃないかと思って、スマホで検索し続けていたら、無料で、いつでも話を聞いてくれるサービスのサイトを見つけた。
口コミを見たら、体験談が載っていて、怪しいサイトではなさそうだったので電話をかけてみた。

でも繋がらなかったので調べてみると、やっぱり私みたいに話を聞いてほしい人が世の中にはたくさんいるみたいで、何十回かけても繋がらないという書き込みがあった。
なので時間を置いて、今度は出るまでかけようと思った。

電話を何度も掛けなおすのには慣れているので、80回を超えたあたりでようやく繋がった。
相手は女性で、今日はどうされましたか?と聞いてきたけれど、繋がったことにちょっとびっくりしたのと、あまり話すことを順序だてては考えていなかったので口ごもった。
私が黙ってしまったので、怪訝な雰囲気が伝わってきたけど、あの、と言って、去年の10月にガンの告知をされたことを話すと、女性の雰囲気が変わって、とても親身になってくれた。

手術をして、病理結果が出て、抗がん剤をするしないで悩んで、結婚できなくて、子供が持てないかもしれない可能性に落ち込んで、将来に希望が持てなくて、でも家族が心配するからなるべく元気でいないといけなくてとか、そういう話をして、看護師さんと話してるときみたいに、たくさん泣いた。

電話の女性も話を聞くプロなので、私の気が済むまでたくさん喋らせてくれて、一通り私が話したあとも、大丈夫ですか?もっと話したいことはないですか?と聞いてくれたので、何度も感謝した。

こういうサービスが世の中にあることは知っていたけれど、まさか自分が利用することになるとは思っていなかったし、たくさん優しくしてもらえて、なんかもうすごいなと思った。

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