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抗がん剤の前に、乳がん患者さんの集まりに顔を出す ~とあるOLの乳がん日記【93】

93.

やっと診察室に呼ばれて、内科の先生から、抗がん剤を打つ際の目安になる血液中の成分の好中球の数は、問題がなかったと聞いて、この数が少ないと、抗がん剤が延期になることもあるらしく、よかったと思った。

それから、1回目の抗がん剤がどうだったかと聞かれたので、初日に吐いたり、心臓がふるふる震える感じがあったり、あと身体がなんかじっとしていられなくて、ぴょんぴょんしたくなったことがあったり、口内炎ができたりしたことを思い出しながら伝えたら、先生が、じゃあ2回目はどうしますか?と聞いてきたので耳を疑った。

私は、ものすごく悩んで抗がん剤を受けることを決めたので、この日も当然のように受けるつもりで来ていて、まさかここでまた、選択肢を提示されるとは思っていなかったので、だからむしろ、なんてことを聞いてくれるんだと思った。

でも一応、途中で止めても、1回も受けなかったときよりも効果があるのかどうか聞いてみたら、抗がん剤は受ける回数を全部受けて初めて、その効果を発揮するものなので、全4回予定の私が1回受けて止めたとしても、4分の1の効果の恩恵を受けられるわけじゃないということだったので、ますます今更止めたら、その1回の努力が無駄になるなと思った。

だから、2回目も改めて受けますと言ったけれど、これを毎回聞かれるとしたら、ちゃんとずっと言い続けられるかなと思った。

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診察が終わったら、内科の看護師さんがやっぱり一緒についてきてくれた。
また付き添うかどうか聞いてくれたけれど、それより今日この病院でやっている、乳がん患者さんたちの集まりにちょっとでも顔を出したいと思ったので、そのことを話した。

看護師さんは少し驚いて、時間を見たあと、通院センターに確認をしてくれて、少しだけなら大丈夫と言ってくれたので、急いでその場所に向かった。
病院の別棟の行ったことのない場所だったので、途中迷ったけれど、警備員さんに聞いたりして無事にたどり着いた。

中はすごく広い会議場で、そこに数十人くらいの女性が座っていて、もうとっくに会は始まっていたから、途中から突然入ってきた私に一斉に注目が集まったのでおお、と思った。

会をまとめている女性には、事前に電話をしていたから、近くにいる人に誰がその人なのかを聞いて、その人に名前を名乗ったあと、本当は今日出たかったけれど、これから抗がん剤があるから少しだけ見に来たことを告げた。

その人は、そうだったんですねと言って、とりあえず名前と連絡先を紙に書いてもらえたら、いつでもコンタクトがとれるからと紙をくれて、そこに書いた。

それから、すごく慌ただしいけれど、少しでも顔を出せたのでよかったと思って、じゃあこれで失礼しますと言うと、がんばってねと言われて、少し嬉しい気持ちになって、その場をあとにした。

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