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【第6話】ライカ好きがPENTAXに魅せられた末に辿り着いた終着駅

最近、晴天の日は撮影、雨の日は執筆という「晴写雨筆」がすっかり定着した。生憎、きょうは天気が怪しいので、本稿を執筆している。

私はカメラ撮影を30数年ぶりに再開し、まもなく、M型ライカにのめり込んだ。カメラの機能は日本のメーカーに何周も遅れ、不便な点もあったが、素通しのファインダー、重厚な手触り、いちいちオシャレなレンズ・・・時代遅れな機能と抜群のデザイン性が趣味カメラの醍醐味を盛り上げてくれた。

アポズミクロンやノクチルックスなどを購入し、理想のシステムが完成したとき、ふと目に入ったのがPENTAXのデジタル一眼レフだった。

2007年発売で有効600万画素にすぎないCCDセンサーのK100Dである。このカメラの魅力などは「寫眞機余話」第1話を参考にしていただきたいが、この出会いがPENTAX沼への招待状となった。

K100Dに搭載されたCCDセンサーの描写に魅せられ、次に購入したのは有効1000画素のCCDセンサーを積んだNikon D60。デジタル一眼レフ特有のシャッター時の気持ち良さも手伝い、今度はCMOSセンサーのデジイチも試したくなった。厳選した結果、PENTAXが2017年に発売したPENTAX KPを購入した。

小型軽量でクラシカルなデザイン、しかも5軸手振れ補正に防滴防塵、チルト式液晶モニターも備えて、あらゆる点で理想に近いデジタル一眼レフである。

現在、PENTAXは2台体制。先日、ソニーα7ⅢやフジフイルムX-Pro2で撮影した際にも、PENTAXもカメラバックに忍ばせた。そのくらい、PENTAXの一眼レフで撮影するのが楽しい。

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(写真左がPENTAX K100D、右がPENTAX KP)

なぜ、ニコンやキヤノンではなく、経営不安の噂の絶えないペンタックスを選び、のめり込むのか。おそらく理解に苦しむ人も少なくないと思う。

まず第一にレンズのデザインである。

ペンタックスファンは必ず1本は所有しているであろう、limitedシリーズはデザイン性に優れ、アルミ削り出し、描写も収差を少し残している。オールドライカ好きならご理解いただけるのではいか。

たとえば、limitedレンズで代表的なsmc PENTAX-FA 43mmF1.9 Limited。この佇まいは最近の日本メーカーには見当たらない。

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(写真はPENTAX K100Dとsmc PENTAX-FA 43mmF1.9 Limited)

最も直近に購入したのは、limitedで唯一のズームレンズ「HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR」。APS-Cセンサーのカメラだと焦点距離は約30㎜から60㎜をカバーする。

私の所有するKPに取り付けると、ボディ・レンズともに防滴防塵の頼もしいマシンが出来上がる。

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(写真は、PENTAX KPとHD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR)

わずか2倍ズームという珍しい、いや変態的なレンズだが、ズーム倍率を抑えることで、使用レンズ(8群9枚)を増やさず、約280gという軽量化を目指したと推測している。

このレンズも他のlimitedレンズと同様、デザインが素晴らしい。レンズ径は55㎜。あまりのカッコ良さに、ライカ純正のフィルターを取り付けている。

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このほか、次のように、M42マウントのスーパータクマーや中望遠レンズなどKマウントレンズが揃ってきた。

Super-Takumar 55mm F1.8(M42マウント)
smc PENTAX-DA35mm F2.4 AL
smc PENTAX-DA 18-135mm F3.5-5.6 ED AL IF DC WR(KPのキットレンズ)
smc PENTAX-DA 18-55mm F3.5-5.6 AL(K100Dのキットレンズ)
smc PENTAX-DA 50-200mm F4-5.6 ED
HD PENTAX-DA 55-300mmF4.5-6.3ED PLM WR RE

キットレンズが2本と、その他、焦点距離の重複もあるので、今後、若干、整理するつもりだが、いまは興味のあるレンズをもう少し増やす時期だと考えている。

そうそう、趣味カメラにおいて最も重要なことを忘れてはいけない。それは費用である。

現在、PENTAXシステムの構築に要したコストは約18万円。ちなみに、ライカの標準レンズSUMMICRON 50mmは中古相場が約25万円なので、ズミクロン1本のコストに満たない金額で楽しめる計算になる。

ペンタックスのコスト安も魅力だ。

最後に、PENTAXの描写だが、これが実に私好みなのだ。

まず、姿形が美しい「smc PENTAX-FA 43mmF1.9 Limited」は、オールドレンズのような味わいだ。

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(上記写真は、PENTAX KPとsmc PENTAX-FA 43mmF1.9 Limitedで撮影)

また、PENTAXは自然を撮影させたら、張り切って、こんな発色を見せてくれた。

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(上記写真は、PENTAX KPとsmc PENTAX-DA 18-135mm F3.5-5.6 ED AL IF DC WRで撮影)

重さ約250グラム。スナップに使えると思い、ヤフオクで4000円だった中望遠「smc PENTAX-DA 50-200mm F4-5.6 ED」。夕暮れの代官山で、懐かしくも優しい描写を残してくれた。

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(上記写真はPENTAX KPとsmc PENTAX-DA 50-200mm F4-5.6 EDで撮影)

趣味カメラは、こんな邂逅が楽しいのだ。


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