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『喫茶 花』でコーヒーを
オフィスが立ち並ぶ通りの路地裏に入る、そこは別世界に入り込んだかのような雰囲気。
そんな中にひっそりと存在している。
今は朝の4時。
ただでさえ人通りのない時間だとより一層寂しい雰囲気が漂っている。
入り口の少し古びた木製のドアを押して中に入る。
カランコロン…
なんとも言えない懐かしい音が響く。
ここは私のお店「喫茶 花」
この辺りでは…いや日本中で探しても朝の5時から開いている喫茶店は珍しいと思う。
にも関わらず、開店早々訪れてくれる常連さんも少なくない。
この時間から開店するに至った経緯は色々あるのだが、私と同じように朝早くから喫茶店でコーヒーを飲みたいと思っている人が意外と多いことに気づく。
最近では流行りのおしゃれなカフェが多く、人気を集めているが、私はこの昔ながらの喫茶店が大好きだ。小さい頃に父がよく連れて行ってくれた事を思い出す。
さて、今日も朝から美味しいパンを焼く。
モーニングのパンはいつもお店で焼いていて、これを楽しみに来てくれる常連さんが増えてきた。
パンを焼いたら、コーヒー豆を準備する。
「んー…良い匂い」
開店前に一杯のコーヒーを淹れて気合いを入れる。
一息ついて開店準備が整ったら、コーヒー豆を挽き始める。
香りが店中に広がるこの時間が大好きだ。
オフィス街のそばに位置することもあって、多くの会社がうちのコーヒー豆を仕入れてくれる。
最近は「ワールド・ブルー株式会社」という会社が1番のお得意様になっている。
どうやら朝イチに社長にコーヒーを入れるのが習慣らしく、いつも身なりをきちんと整えたベテラン秘書さんが注文に来る。
頻回な注文とご近所さんという事で、よく会社に直接納品にも行くのだが、ここの社員さんはみんな素敵な挨拶を交わしている。
顔馴染みになった社員さんに聞いたところ『挨拶で世界を笑顔に』という理念なんだとか。
会社の雰囲気がとても良いので、こんな素敵なお得意様ができて嬉しい限りだ。
今日もワールド・ブルー株式会社へ納品するコーヒー豆を挽きながら、そう言えばうちの昔からの常連であるユニさんも、ここの社員だと言ってたな…とふと思い出す。
彼女もまた、開店早々から来てくれる1人だ。そういえば、ユニさんはうちのコーヒー豆が会社でも飲めること知ってるのかな?今度聞いてみようかな…
そんな事を考えた矢先、お店のドアが開く。
カランコロン…
「いらっしゃいませ〜」
あ、噂をすればなんとやら…
あれ?今日はお連れ様も一緒だわ。
なんだか朝から思い詰めたような、疲れた顔をしている男性…
どこかで見たこと…
あ!ユニさんの会社の社長さんだ!
確か…蒼広樹さん。
雑誌とかで見たことあったけど、実際にお会いするのは初めてだった。
んん!?2人はどんな関係なんだろう…
なんて、野暮な想像はしない。
挽きたてのコーヒー豆でいつものように最高の一杯を淹れる。
今日がステキな1日になるように、気持ちが少しでも明るくなるように。
「コーヒー、お待たせしました」
無断で勝手ながら楽しい企画に乗っかりましたw
その企画とは、詳しくはこちらから
そして今回はワールドブルー会社近くの喫茶店のマスターになってみました。
勝手にユニさんの行きつけのお店に…
書いててかなり楽しくなってましたw
細々と他の参加者の方を巻き込んでみようかと妄想しております。
すごく面白い企画だなーって思ったので、もっとたくさんの方に参加して欲しいですね。
なんて無断でこっそりと参加した私が言っては行けない気もしますが…
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