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【architect】建築家とは…

建築家とはどんな人のことを指しているのか…

一級建築士の資格を持っている人?
設計に携わっている人?
公共建築を手がける人?
建築専門誌に作品が載る人?

色々な定義がありますが、これから数回にわたって建築家とは?ということについて考えてみます


その前に、私自身の経験を話しておきたいと思います
私が初めて建てた(正確には建てていただいた)建築は、都内の郊外で1LDKが4世帯の木造2階建てのアパート
当時は社会人1年目で土地活用コンサルタントの営業をしていた時でした
駐車場などの空いている土地の所有者を見つけては飛び込み営業をしてアパートやマンションを提案する仕事です
根こそぎ地主さん営業をしている中で、住宅街の袋小路に40坪ほどの敷地を発見しました
恐らく別のライバル会社が絶対に営業をかけないような使いにくい土地でした

恐る恐る隣の所有者らしき家を訪ねてみると、50代くらいの主婦の方でした
最初は困惑気味でしたが、親切な方で話をする事ができました

そのときは深い話はせず自分の仕事と会社の紹介をして帰りました

その後何度か伺って話をしていくと、実は息子さんが300万くらいの借入をしておりそれを肩代わりしていて返済に苦労していることを話してくれました

土地はあるが実際にどうしたら良いかわからないという事もわかりました

そんな話をして頂けたので、もしアパートを建てたらいくらくらいの収入が見込めるか検討することになりました

周辺のニーズなどを考慮して1LDKを4世帯で、費用も木造で抑えました
すると月当たり10万くらいは返済を差し引いた手残りとして見込めることがわかりました

銀行ローンにおいて300万の借入がネックで都市銀行は二の足を踏みましたが、
地銀の伝手を使って300万の借入をその銀行に借り換えすることで融資をしてもらえるように斡旋することができました

返済条件はありました、元々の借金も一括して返済できる上に少しでも収入が得られる計画になりました

その事が分かった上で、正式に契約をしてもらい着工しました

出来た建物は、決して惚れぼれするようなものではありませんが、この建物を建てる事で幸せを手に入れた施主がいて、喜んでもらえた事は私にとって建築をする上での指針になっています

建築はかっこよくて、暮らしなどをこだわり抜いたものだと思っていましたが、それだけではないことを知りました

被災地の仮設住宅などもそうですが、建築には色々な状況で求められるものが違うのだと思います

そこに建築家のエゴの入る余地はないのかもしれませんし、建築家だからできる事があるのかもしれません

そんな事を経験した私なりの建築家のあり方を考えていきたいと思います

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