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ランドセル問題(ブラジルとの比較)

最近日本では
ようやく「さんぽセル」なるものが出来たと思っていたところ、

https://dime.jp/genre/1346798/

あろうことか
それに批判が殺到したとかで、

これを考案した双子の少年達が
反論する事態となっている。

さんぽセルを考案した少年達(https://the-labo.com/sanposeru-crowdfunding.html)

🎒🎒🎒

実はブラジルでは古くから
リュックを背負って通学することによる足腰への負担や
背丈の伸びへの障壁になり得ることなどについて
警鐘が鳴らされ、

30年程前から
リュックとキャリーの2-way 型が実際推奨されるようになった。

キャリー型とそうでない子が混在する学校(https://veja.abril.com.br/coluna/maquiavel/o-que-as-escolas-particulares-pensam-da-volta-as-aulas-durante-a-pandemia/)

とりわけ裕福な家庭の子供が通う
小規模の小学校などでは
それが義務化されているような場合もあり、

日本に舞い戻った数年後に渡伯した際に
そういった学校の生徒の姿を見て
目を丸くしたことを思い出す。

キャリー型が義務化されているケース(https://www.nsctotal.com.br/noticias/mau-uso-das-mochilas-escolares-pode-causar-problemas-de-saude-em-criancas-e-adolescentes)

というのも、
日本とブラジル双方の文化を背負う私は
とっさに

「日本ではあり得ない」

という思いがよぎったのだ。

そして、すぐさま
何故日本ではあり得ないのかと
自問自答を始めた。

重いランドセルを背負って毎日歩いて通学することが
体力増進に役立っているという側面もあるのでは
なかろうか...、

一方で、
ランドセルが「就学」という
子供の大事なステップの象徴として定着し過ぎて
それ以外のものを否定しまう気持ちが
根付いているだけなのではないだろうか…、

仮に
日本でもランドセルの荷重による
健康被害が叫ばれるようになったら
日本人はどのような反応を示すのだろうか…、

等々、
ひたすら思いを巡らせたものの、
明確な答えは導き出せなかった。

ましてや日本の小学生が
ブラジルの子供達のような
ビニール素材のキャリーを引いて通学する姿など
想像だに出来はしなかった。

🎒🎒🎒

要は、
「さんぽセル」の登場については

日本人の「ランドセル」への思いを剥奪することなく、
荷重の問題を解決したのだから
実に画期的だと感じている。

さんぽセルを批判する人々は
ランドセルがこの50年間で
どれだけサイズアップしてしまったかなどについて
充分認識していないのかもしれない。

https://blog.hinokicraft.jp/eid-4514

「でも今はクラリーノで軽いのよ!」

などと言っている場合ではない。

ランドセルが大きくなっただけではなく、
中身の教科書も
大きく、重くなっているのだ。

我が家は小学校が徒歩2分、
中学校が徒歩1分という好立地なので
さんぽセルを導入しようとは思わないが、

それでも
孫のランドセルを持ち上げる度、

「こりゃ正気の沙汰じゃないワ」

と感じざるを得ない...。

🎒🎒🎒

ブラジルのサイト検索をしてみると、
店頭には、
背負うタイプも引っ張るタイプも
満遍なく置かれていることが分かる。

https://www.acessa.com/infantil/arquivo/noticias/2011/01/20-mochilas/

また、
ネット通販では
このような「通学セット」が
売られたりもしている。

https://www.seanite.com/kit-escolar/kit-escolar-feminino-rosa-metalizado-rodas-360o

これは
いわば「高級品」だが、
それでも
セットで¥15,000円弱。

実は
日本のランドセルについては、
その値段も理解に苦しむところなので、

この無地のもののようなキャリーリュックであれば、
日本でだって導入しても良いのではないだろうか…

などと思ってしまう辺りは
私の「ブラジル人マインド」のなせる業だとは
重々承知しているが、

それでも尚、

日本人って「形式」だの「象徴」だのに
囚われ過ぎなのでは?

と問いたくなってしまう
偽日本人の Shiomin なのであった…。


お読み頂き、誠にありがとうございました。

※ 「大人も子供も荷物が重いと大変!』、否、
「買い物 コアラ」はこたつぶとんさんの作品です。


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