あるバックパッカー用宿泊施設で昔起きたこと...
トップ画像はモザンビークの首都マプトにある
バックパッカーがよく利用する宿の共用スペースです…。
今日は
ある一枚の古い写真が出てきたことから
この話をしようと思い立ちました。
その写真がこちら。↓
実はこの写真が撮られたのは
トップ画像と同じ家です…。
ソファーの向かって左端の女の子と
右端の(テレビの前でしゃがんでいる)青年は
モザンビークの青年海外協力隊一期生、
つまり「モ国隊員1号&2号」です。
2人は SE(システムエンジニア)で、
私と縁が深いガザ州に配属された女の子の方とは、
私が別の地方の仕事でモザンビークへ行った際も、
何故かタイミングが合って
彼女が首都に上がってきていることがあったりで、
初対面だったこの写真のとき以降も
何度かお会いしています。
また、
当時は配属先にOA機器が揃っておらず、
当初の予定とは異なる仕事をする羽目に遭った彼女ですが、
後に結婚・出産を経て、
わざわざモザンビークまで
現地の皆に子供を見せに行ったとのことで、
後々まで様子を知ることが出来た方でもあります。
な・つ・か・し・い ♪
で、当時この家は
とある専門家の方がご家族と住んでいらして、
私が同行していた方のお知り合いということで
一緒にお邪魔させて頂いたのですが、
ここで一生忘れられない出来事が起きました…。
💧💧💧
その出来事については
どこかの記事で書いたと記憶しているのですが、
なんとしても見つけられなかったので、
再度記します。
ここに住んでいた専門家の方の奥様はケニアの方で、
皆に「ママ」と呼ばれる
やさしくも強い肝っ玉かあちゃん系の方でした。
この日は散々ご馳走になり、
夜も更けて若き隊員達も帰ったあと、
男性陣が飲みながら
話に花を咲かせているのとは
少し離れた席で、
「ママ」は私の相手をして下さっていました。
そして、ふと「ママ」は
私が「話せば分かる相手かもしれない」
と思ってくれたのではないかと思われるのですが、
悩みを打ち明けるような口調で
「来週日本に残った娘が遊びにくるの」
と言うのです。
「まあ、それは楽しみですね!」
と返す私...。
それに間髪を入れず「ママ」は
「でも間に合わない…」
と…。
「ママ」が見初めただけあり(?)
私はとっさに「まさか?」との思いがよぎったのですが、
この時点で私自身、「ママ」とは初対面です。
敢えて「変な詮索」をしたなどとは見せないようにして、
「来週だなんて、もうすぐじゃないですか!
久しぶりなんでしょ?
いいですねぇ~!楽しみですね~!」
などと、
ややしどろもどろになりながら返した上で、
更に話を別の方向に向けてしまいました。
こうして
まもなく日付も変わろうかという時間になって、
ようやく男性陣も眠くなったのか、
お暇することになりました。
(@^^)/~~~
翌日は、我々の帰国日でした。
空港でチェックインを済ませ、
待合室で席を確保したところで
昨夜お邪魔したお宅の方の知り合いである団員が
重い口を開きました…。
「実は今朝、部屋に電話がありまして、
昨日のあの奥さん(「ママ」)が亡くなったそうです…。
・
・
・
ショックで声が出ませんでした…。
夜中にトイレに起きたのであろう「ママ」は、
バスルームの入り口に倒れていたそうで、
家族が気付いた時には既に息がなかったのだそうです。
「ママ」が折角私に白羽の矢を立ててくれたのに…
と思うのと、
だからと言って、
あの時に何と言えば良かったのか、
また
どうすれば良かったのか...。
答えは見つからず、
ただただ何ともいえないやるせなさだけが残りました…。
💧💧💧
その後、残った家族も日本に戻し
一人きりになった専門家の方に一度だけお会いしました。
その際、
実はあのとき「ママ」がおっしゃったことを
お話ししました。
すると、専門家の方は、
「ああ、そうですか。わかっていたんですねぇ…」
と、しみじみおっしゃいました。
また、その際「ママ」の葬儀は
生まれ故郷のケニアで行ったのだとも伺いました。
つまり、翌週モザンビークを訪れる筈だった娘さんは
予定を変えて、直接ケニアに向かわれたわけです。
💧💧💧
さらに数年が経ち、
今度は別のルートで
既に違う用途で使われていたあの家に
泊まった人が
バスルームの入り口付近でたたずむ
「ママ」の姿を視てしまったと
聞かされました…。
今度は、
その新たなルートを介して
ご遺族に、
「ママはまだ娘を待っているようだから、
出来れば娘さんに現地まで迎えに行ってもらうように」
と伝えてもらいました。
💧💧💧
そして更に数年経ち、
無事そのメッセージがご遺族に届いたようで、
娘さんがモザンビークの家に
「ママ」を迎えに行ったと聞きました。
私としては、ここでようやく
少しだけ気持ちが楽になりました…。
💧💧💧
待ち焦がれた娘さんと合流し、
今では「ママ」は天国から
ご主人やお子さん達を見守っているのだろうと
信じています。
本日もお読み頂き、誠にありがとうございました!
※ 「月夜の魔女」はこたつぶとんさんの作品です。
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