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大きな蜘蛛と過ごした日々(続き)


アフリカはモザンビークのホテルで
大きな大きな蜘蛛さんと

共同生活を始めた私ですが、

日を追う毎に
お互い気心も知れてきて(笑)

蜘蛛さんは、夜明けとともにお出かけになり、
夕方帰宅するという、

非常に規則正しい生活を送っていらっしゃることも分かり、

煙草を吸うためにベランダに出る度に
ちょっとした声掛けもするようになりました。

「あれっ、今日はちょっと遅かったんじゃない?
あっ、私が早かったのか。笑」

「いやぁ、今日も暑かったね~。
昼間はどこか涼しいところにいられた?」

等々...。

*****

そして2週間程した頃でしょうか。

ちょうど週末で、私は掃除も断り部屋に巣ごもり。

ふと見れば、昼間だというのに蜘蛛さんもご在宅。

「あれま、蜘蛛さんも週末?!」

と、窓ガラス越しに見ていると、

「わぁ~~~っ!!!!!」


なんと!

ン百匹もの赤ちゃん蜘蛛が
続々と生まれ始めたではないですか!

生まれて四方八方に進んでいく
赤ちゃん蜘蛛!

「今、ベランダへの出入り口を開けたら、
一部の赤ちゃんが入ってきてしまって大変なことになる!」

と察し、

その日は、わざわざホテルの入り口脇の
灰皿ポイントまで
煙草を吸いに「出かける」体制を採りました。

そして数時間後の夕方、再び窓ガラス越しに外を見てみると、

どうやら赤ちゃんは全て生まれたようで、
蜘蛛さんは満足して休んでいるようでした。

そこで、そろそろベランダへ出ても大丈夫かなと
出入り口を開け、

ベランダで一服し、
室内に戻ろうとして、ふと足元を見ると、

出入口の引き戸のレールに

末っ子でしょうか、赤ちゃん蜘蛛が一匹、

必死に部屋の中へ進もうとしています。

「ええっ、いや~~っ!」


引き戸を閉めれば、赤ちゃんは圧死してしまいます。

でも、毒蜘蛛かもしれませんから、中に入られるのも困ります。

顔を近付けて「フ~ッ」と吹き飛ばせばいいのかもしれませんが、
上手くやらなければ、レールの向こう側に当たって、
戻った先が私の顔だったりするかもしれません。>爆!

そこで、

素早く部屋に入り、近くにあったノートを手に、
赤ちゃん蜘蛛がレールを乗り越えるのを待ち構えました。

赤ちゃんが入ってきたら、ノートの表紙ですくい上げて
外に出せばよいと思ったのです。

ところが



レールを乗り越えたかと思うや否や、

赤ちゃん蜘蛛がすごいスピードで走りだし、

慌てて立ち上がった私がうっかり


踏んずけてしまったのです…。

つ・づ・く…

ここまでお読み頂き、誠にありがとうございました!

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