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「My ship is sinking.」「え~っ?!」な話

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アフリカに行くと、なにかと北朝鮮のプレゼンスを感じることが多いです。

あちこちの国で、
港に北朝鮮船籍の船が停泊していたり、
町のどこからも見える高台に、北朝鮮により
建造された特大サイズの銅像があったりするのです。

なんでも北朝鮮の銅像製造技術がアフリカで大ウケしているのだとか。

あるとき、アンゴラの首都ルアンダからほど近い田舎町に泊まると、
如何にもな黄色人種の家族らしきグループがおり、
ホテルの食堂の人が私たちに、

「あの人達、随分前からここに泊まっているの。
誰かを待っているっぽいのだけれど、
言葉が全く通じなくて。
あなた方、彼らの言葉解らない?」

と。

「ごめん。会話しているのを聞く限り全く分からない…」

と答え、その場はそれきりとなりました。

翌日の私達は夜も明けきらない早朝の出発だったのですが、
全員が揃うのを待っていると、
その一人が出てきて何かを訊ねてきたのですが、
言葉が通じず、
自国語以外は何語も話せないようだったので、
首を振りながら
「ジャパニーズ、ジャパニーズ」
というと、
その人は、がっかりした様子で
部屋に戻っていきました。

「脱北者なんだろうねぇ。
びっくりだねぇ。
ここで待っていれば迎えが来るからとか
言われたんだろうねぇ」
と、道中皆で話しました。

又、別の時、
同じくアンゴラのとある港にいると、
そう言っては悪いけれど
かなりみすぼらしい容姿の
黄色人種の中年男性が近づいてきたと思ったら、
北朝鮮船を指さして

「I'm the captain of that ship. My ship is sinking.
(私はあの船の船長だ。私の船は沈みつつある。)

と。

「ええ~っ!!!!!」


と、皆で顔を見合わせると、
あとは身振り手振りで、
どうやら船体に穴が開いてしまったので
溶接機があれば借りて直したい
と言いたいらしいのです。

今度は私達が
港湾事務所を指差し、
そこで訊ねるよう促しました。

*****

いやぁ、アフリカに行くと、
なにかと思い掛けないシチュエーションに
遭遇するものです…。

しかしあの船長さん、

「あれに見えるは黄色人種。
もしかしたら韓国人で、言葉が通じるかも」

と期待したんだろうなぁ、
と思うと、

私達が日本人だったのでがっかりしただろうなぁ…

と、
なんだか申し訳ない気分になりました。

それにしても、二言目に

「My ship is sinking」

って…。 >笑

ましてや国中で着岸バースが足りていなかった
アンゴラのことです。

停泊中に本当に沈むようなことがあったら、
ただでも滞り気味の物流が
大変なことになってしまいます。

その後どのような方法で解決したのかは
知る由もありませんが、

数日後その北朝鮮船籍の船は
無事出港したようなので、

とりあえずは

メデタシ、メデタシ


ということで。


お後がよろしいようで。

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本日もお読み頂き、誠にありがとうございました!

※  猫の落語家はイラストレーターのこたつぶとんさん
リクエストして描いて頂いたものです♪








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