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愛しの国カーボベルデ(5)

「愛しの国カーボベルデ(4)」を箇条書きにしたことで、プライア市や カーボベルデ人のことで思い出し得る事は全て出し切ったかなと思いきや、筆を置いた、否、記事をアップするや、あれやこれやと思い出し、もう少し書きたくなってしまいました。

海は悲しく怖いもの?

首都プライアのあるサンチアゴ島は、そもそもトップ画像のような断崖が 多く、多少存在する砂浜になっているところでも、すぐズドンと深くなっているので、決してビーチリゾートには向いていない島ではあるのですが、
それにしても、その数少ない砂浜を見ても、多少子供が遊んでいることは
あっても、どう考えても海遊びが好きな島民性には見えません。そこで、
現地の人に聞いてみると、

「我々カーボベルデ人には、潜在的に『海は悲しく怖いもの』
と感じるところがあると思うんだ。先祖が奴隷として連れてこられ、
そしてここから送り出され、船が出てしまえば最後、
二度と会えないという別れを繰り返してきたわけだからね」

と、教えてくれました。そしてつくづく納得しました。

それにしても、何故あのような砂浜が少ない島の町に「プライア(=海岸)」なんて名前を付けたのでしょうね…。

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サンチアゴ島は ↓ のような形をしているので、私たちは「ツチノコ島」と
呼んでいました。>笑

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プライア市は国の首都でもありますから、レジャー目的以外の外国人も多く訪れます。そうであれば、いくら島があまりそれ向きではないと言っても、砂浜が皆無なわけではないので、Sal島のようなリゾート開発が展開されても
おかしくないと思うのですが、手つかずだったり、小規模だったりで、未だに外資系の良いホテルはプライア市内に集中しています。

グーグルアースで島を探索してみると、こんな ↓ ところや

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こんな ↓ ところがあったりで、

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リゾートコンプレックスなどが見当たらないのが不思議なくらいです。

こちら ↓ はペドラ・バデージョ (Pedra Badejo)という村で、

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ここには外国人客も来ますし、当時はなかった宿もありはしますが、Booking.com を見ても、その内容はこの程度 ↓ です。

なんだか勿体ない感じですね。観光開発を始めて20年では、まだ短いということですかね。

更に、海沿い以外を探索すると、ものすごい勢いで植林が行われていることが分かります。こんな ↓ 感じに見える山肌です。 

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人の名前が「えっ?!」な件

話は変わって、カーボベルデ人あるあるの変なところを一つ。

カーボベルデ人と知り合って、その人が、例えば自分は「マルキーニョ」
だと言ったとします。ブラジル人の場合、「マルキーニョ」と呼ばれるのは「マルコス」という名前の人だと決まっています。英語圏で「ビルだ」と
言えば「ウィリアム」さんなんだなと分かるのと一緒です。周りの皆もその人のことを、「マルキーニョ」、「マルキーニョ」と呼ぶので当然「マルコス」さんなのだと思っていると、何かでフルネームを書いてもらわなければならなくなった時、実はその人は「パウロ」さんだったりするのです。

こちらが「ええ~っ?!」と驚くと、「いや、マルキーニョはニックネームだから」と、当たり前のように返してきます。

「いや、当たり前じゃないってば! それって『まさお』と名乗っていたが
実は『としお』さんだったようなものじゃん!」

と、カーボベルデ人以外の人々は思うわけですが、どうやら「名乗りたい
名前を名乗ればいい」という文化があるようです。

でもまあ、今や日本にも実生活でも概ねハンドルネームで生活している人もいたりしますもんね。

こんなことは、住んでいれば、なんとも思わなくなります。

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来日カーボベルデ人をTDSに連れていくべからず?!

来日したカーボベルデ人をディズニーシーに連れていったことがあるのですが、入り口の地球のオブジェにカーボベルデがないことにがっかりしていました。

まさに
「夢の国の入り口で夢破れる」
って感じでした…。

あれって「オブジェ」以上のものではないから仕方ないのだと思うけれど、
考えてみれば世界中から人が来るのだから、小さくてあそこにない国から
来た人は皆がっかりしているのだろうなぁ、と思うと、なんとかしてもらいたいとも思ってしまいます。

普通の世界に戻ったら、投書してみようかしら。

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人気の屋外「焼き鳥屋」に行ってみたら

1998年~1999年頃、何度か人気だという「焼き鳥屋」に行きました。そこはだだっ広い空き地にプラスチック製のテーブルとイスが並べてあるだけの 「ばっちい」感じの場所で、食べ物メニューは鶏の半身に塩味を付けて焼いたものと、「ピンシュ」と呼ばれる牛肉の串刺し(日本の焼き鳥の倍くらいのサイズのもの)の2種類のみで、飲み物はミネラルウォーターか清涼飲料水かビールといった、どこまで簡素なんだと言いたくなるようなところで、
しかも十分な明かりもない中、夜だけ営業しているという店だったのですが、確かにとても流行っていて、いつ行っても混んでいました。

それはいいのですが、何故ここに書こうと思ったかというと、その客層に 驚いたからです。なんと、同じ空間に政府の局長クラスの人から、うちの
ドライバー君たちの友人までいて、薄暗い空間で同じ2種類のみの肉を
食べながら、ワイワイ盛り上がっていたのです。

通常ポルトガル語圏の人は階級意識が高く、そんな身分が違う人達が食事をする空間で一緒になるようなことはないので、日本人も驚いていましたが、ブラジルで育った私はもっと驚いたとともに非常に感激してしまいました。

人口が少ないっていいな、島国っていいな、と思った一件でした。

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さぁて、これで書き切ったかな…。

きっと書き切っていないんだろうな…。

まだ他の葡語圏のことも書きたいことがいっぱいだし、当初「宣言」した ポルトガル語関連の記事もいっぱい書きたいし…。

でも、またきっとカーボベルデについて書いてしまうんだろうな。

ということで、今回もお読み頂きありがとうございました!





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