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モザンビークの治安

モザンビークの警察は評判が悪く、外務省HPの「安全対策基礎データ」
(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcsafetymeasure_123.html)
などにも警察官による恐喝などについて記されています。

給料が安く、モラルが低いことが主な原因なのでしょうが、
警察でさえそのような状況ですから、
全体的な治安も良いわけがありません。

しかも、
モザンビークの場合、治安が悪くなったのには
特記すべき経緯があります。

その昔、モザンビークは治安が比較的良く、
人通りが多い街中であれば、ほぼ安全だと思って間違いなかったのですが、
その一方で、それを下支えしていた残酷な風習がありました。

それは、街中で犯罪を目撃すると、
その目撃者が寄ってたかって犯人を取り押さえ、
古タイヤを被せて油を注いで焼き殺してしまうというもので、

1992年に内戦の終戦を迎えたモザンビークでは、
1990年代も後半になると、町は活気を取り戻し始め、
商店にも商品が溢れる中、なんとかそれらを手に入れようと
犯罪に手を染めてしまう人も増えていき、
それに伴い民衆によるリンチの件数も増えて行く…

といったイタチごっこになってしまい、

このままではマズイと、政府が新たな法律を定め、
「いくら犯罪者であったとしても、人の命を奪った者は裁かれる」
と民衆の啓蒙にあたり、
とうとう現実に裁かれる人が出てきたた辺りで
ふと気付けば街中の治安が明らかに悪くなっていた…

というわけです。

とはいえ、
ブラジルほどの件数も凶悪さもないので、
男性なら、普段の生活ではかっぱらいに気を付ける程度で
概ね大丈夫かと思われます。

ただ、若い女性の場合は、性犯罪が想定外に多い国で、
日本人女性が被害に遭った先例もあるので、
人気のない場所の一人歩きは絶対辞めた方が良いです。

また、上で
「以前は人通りが多い街中であれば、ほぼ安全だった」
と書きましたが、その傾向は当然今もあり、その結果、
モザンビークでは、人口の多い大都会よりも
人口も少なく一見のどかに見える田舎町の方が
案外危険だったりすることもあるので、
その点も覚えておいて下さい。

実際、私自身、
犯罪という程ではありませんが、
車のタイヤをパンクさせられ、
「直すのを手伝うからお金ちょうだい」
的なトラブルに初めて見舞われたのも、
「一見のどかな田舎町」のホテルの目の前でした。

歩道を歩いていたら、民家の塀に座って
たむろしていた少年たちに
肩から斜め掛けにしていたバッグを
ひったくられそうになったのも
田舎町でした。

ちなみにトップの写真は、1件目の事件のあった町から
数キロ地点の河の河口で、2件目の事件があった町から
首都へ向かう飛行機の中から撮ったものです。>笑
                     ↑
                   こう書くと、なんだか
                   変な縁だし、そもそも
                        写真説明として変なので、
                   思わず笑ってしまいました。

ところで、
思えば「恐いリンチの風習」について初めて教えてくれたのは、
今は亡き車屋の遠藤さんでした。

知る人も少なくない、
「モザンビークの青い空」の著者の遠藤昭夫さんです。

日本の中古車の輸入業を営んでいて、一見怪しげな風貌で
あまり日本人っぽく見えない方ではありましたが、
現地の貧しい知人の子供を自らの手で育て上げたりと、
人情味溢れる方でもありました。

「モザンビークの青い空」は絶版になってしまっているので、
新品はプレミアが付いてしまっているようですが、
中古なら、探せば¥550くらいからあるようなので、
良かったら読んでみて下さいね。

↓ 試しに貼ってみたら、新品の値段しか表示されませんが、
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