木曜の虹🌈、御の字

木曜の午前5時頃、
会社へと家を出ると、大きな虹。
仰ぎながら駅までの道のりを歩いた。

僕の住む街の、
周りだけだったのだろうか。
わりと色彩のくっきりした虹が
街並みを照らしていた。

この街にも沢山の人が住み、
日々の暮らしを営んでいる。
寝静まる人、寝床から起き出した人、
珈琲を淹れてる人、
朝ごはんを食べてる人、
歯ブラシしてる人、
シャワーを浴びてる人、
テレビを観てる人、
家族と微笑んでる人、
ひとり黙している人。

今この瞬間しか存在し得ない虹。
今このときだけの形の雲。
今このときだけの肌触りの風。
今このときだけの木々の揺れ。

そしてときは流れゆき、
形を変えてゆく。

そうだよな、
虹の色ように、人もそれぞれだよな。

そうだよな、
時は流れ、ただ消え去るのみだな。

そうだよな、
この街も広いな、まして世界は。

そうだよな、
誰もが、何かしら悩みはあるな。

そうだよな、
人は変えられないよな。

そうだよな、
いちいち気にしてられないよな。

そうだよな、
自分が変わるしかないな。

そうだよな、
時間はかかるよな、焦らずだな。

そうだよな、
自分に出来ることを精一杯だな。

そうだよな、
自分に嘘をつかず、誠実にだな。

そうだよな、
天にさえ褒めてもらえば御の字だな。

そうだよな、
こんな風を浴びる時間があれば、
幸せだよな。常なる、心の虹の時間。

でんと構えた駅が見えてきた。