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その一冊の佇まい

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読書は心の旅路、作者との時空を超えた対話、没頭出来る時間へ。
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#読書

凛として潤い。

60歳を超えているだろうか、 いや年齢は関係ない。 彼女は細身で白髪混じりのショートカット…

葉風弥七
4か月前
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「本買へば、雪の暮」

去年の暮れからこの2ヶ月で 本を15冊買っていることに 先程気が付きました。 普段は月に5冊程…

葉風弥七
1年前
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新書本のひと

この5年くらいでしょうか。 毎朝午前6時の東京駅、山手線のホームで 同じ車両に乗る彼は、いつ…

葉風弥七
1年前
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梯子の段の語り部たちへ〜書棚から2

狭小のわが家の、更に狭き自室の、 それにしては少し大き目の書棚。 この約30年間、わが愛読書…

葉風弥七
2年前
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孤高と孤独のはざま、人からの評価

周囲からの自分への評価や評判は 気になるものだろう。 例えば、職場で上司や部下からの評価…

葉風弥七
2年前
6

忘れる力、心の強さを養う。

勝負に負けても、 それを反省し次に繋げ、 決して引きずらない。 敗北や失敗を「忘れる」能力…

葉風弥七
2年前
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友への選書

緊急事態宣言下での入院になるのか…。 尚更、彼の奥さんやお子さんは 殆どお見舞いに行けないな。 僕より10歳若い、40代半ばの彼が8月に入院し、 手術を受けることになったことを、 6月末、本人からの直接の電話で知った。 彼とはもう10年以上の付き合いになる。 別の会社の幹部。そんな多忙の彼が珍しく、 メールではなく電話で、かなり不安げに 入院と手術の予定を知らせてきたこと、 彼にとって人生初の入院・手術であること。 そして、彼は僕の数少ない親友であること、 東京のど真ん

インドカリーで男女の機微、噛みしめる

毎週土曜に食品スーパーで買う定番に、 レトルトの「新宿中村屋 インドカリー」と 「金沢カレ…

葉風弥七
3年前
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虹の彼方へ、正和さんの肖像

「空に虹は何度でもかかる。 美しい虹。それはたった一度ではない。 希望を失わずに、絶望せず…

葉風弥七
3年前
6

誰しも未完成、人と人の輪郭

ビジネスパーソンであれば、 特にエリートを目指すなら、 小説など読むべからず、 と若い頃、…

葉風弥七
3年前
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追憶の価値

大型連休こそ沢山読むぞと意気込む。 最初の一冊は、年末に読み掛け、途中だった 浅田次郎氏の…

葉風弥七
3年前
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復興への点照、どんなふうに先達が夢を繋いできたか

現パナソニックの創業者、 松下幸之助氏は 昭和21年1月1日〜同36年1月25日まで 毎月の給与袋に…

葉風弥七
3年前
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大人の絵本、かけがえのないプレゼント

大人向けの絵本がある。 それは僕が勝手に思っているだけで、 きっと子どに読み聴かせるのも有…

葉風弥七
3年前
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なけなしがありったけになる、希望を照らす食堂の灯

この夏人気だったテレビドラマ 「私の家政婦ナギサさん」の魅力のひとつには、登場人物が皆、善良で温かな人で和み、 冬の夜のあったかい湯舟のようで、安心して観ることが出来た、ということがあると思います。 今日再読したのは、ハートフル短編の名手、吉田篤弘氏の長編小説(連作短篇)「おやすみ、東京」(ハルキ文庫)。 舞台は東京、ある街の交差点にある食堂「よつかど」。 ここに集う、深夜の様々な職業の人たち。本作はそのささやかな関わり合いを描いたもの。 作者の「つむじ風食堂の夜」に構