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[日記] ルーキー

随分前から「下積みは必要なのか?」という議論がいろんな場所で行われている。洋服屋も例外ではない。ここ最近私の地元でも、全く別の業種から洋服屋を開店させるオーナーが多数派となっている。

今日もまさに、店のお客さんがいきなり洋服屋を開店していることを知った。流石に知ったからにはお祝いをと思い、いつもよくしてくれる花屋にお願いした。

私のように長く業界にいずとも、今となっては洋服の知識や情報はインターネットでいくらでも集められる。洋服屋を開業するうえで下積みや経験はもはや必要ないのかもしれない。

そんな時代にあって、つくづく感じるのは自分は恵まれているとつくづく感じる。今では無駄と思われている下積み時代に私は素晴らしい経験を数えきれないほど積ませてもらった。

それこそが今の自分を作っている。洋服に対する熱苦しいまでの情熱を高められたのも、下積み時代のありとあらゆる経験や体験がいまだに私の中で燃え続けているからだろう。

確かに人によりけりだろうが、結果的に私は長い下積みを経験して良かったと心から思っている。


いつの間にか地元では洋服屋のルーキーではなくなり、同業から目の上のたんこぶのように扱われることもあるほどになった。ただ、個人的には自分が理想とする店のカタチに成長するまで、いつまで経っても新人であり、まだまだ学びの途中である。

年齢や経験など関係なく、新世代の若者同様、いやそれ以上に自分の理想を掲げてがむしゃらに走っていたい。私の場合、10年先でも若者に白い目で見られながら自分はルーキーだと言い続けているだろう。

下積み時代の自分を忘れることなくフレッシュな気持ちで洋服人生を歩いて行こうと改めて思う。





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