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フィリピン送電社(NGCP)のバックドア上場Synergy Grid!


どうも、shoheybeatzです。

前回ALLDYの公募がオーバーサブスクリプトされ、

応募してもハズレたという話から

12月に上場予定のフィリピン初となるヘルスケア銘柄、Medilines Distributors Incについてご紹介しましたが、

実はその前にもう一つ重要な公募が来週からあるんですが、


それがフィリピンで唯一の送電会社であるNational Grid Corporation(NGCP)のバックドア上場になるSynergy Gridの再上場の後続オファリング(FOO)です。


そこで今回はNational Grid Corporationとは何か?

Synergy Gridとはどんな会社なのか?

そして最後に今回のオファリングについて解説したいと思います。

National Grid Corporation(NGCP)とは?

フィリピンの電力は、発電、送電、配電を通じてフィリピンの多くの地域に電力を供給していますが、

その「送電」の電力網の管理をしているのがフィリピン送電社、すなわちNational Grid Corporation(NGCP)で、国有の電力網の運用、保守、開発を担当する唯一の民間企業です。

これは、電力製造場所から必要な場所に数千ボルトでギガワットの電力を伝送する相互接続システムを運用する送電サービスプロバイダーであり、

フィリピン国内に21,000キロメートルを超える送電線、20,000の送電塔、140の変電所を所有しています。

電力会社といえば、まずパッと思いつくのがMERALCO(メラルコ)で知られているマニラ電力会社、Manila Electric Corp(ティッカーシンボル:MER)ですが、同社は配電サービスがメインです。

マニラ首都圏で唯一の配電会社であり、首都圏全体とメガマニラを形成する準郊外を含む22の都市と89の自治体の配電フランチャイズを保持しています。

フィリピンの発電は石炭、石油、天然ガス、そして再生可能エネルギーによる発電があり、

発電した電力は、フィリピン国内の企業や一般家庭に配電されるために、このNGCPの送電システムを利用して、メラルコなどの配電会社を通じて企業や一般家庭に電力を供給しています。

こんなフィリピンにとって重要な企業がなぜ今更上場するのかというと、

同社は国からフランチャイズを付与された2008年に署名した法律に基づき、運用開始から10年以内に発行済み資本の少なくとも20%を公募する必要が義務付けられていたためです。

しかし今回NGCPは直接フィリピン証券取引所に上場するわけではありません。

すでに上場しているSynergy Grid&Development Phils. Inc(SGP)を通じてバックドア上場(裏口上場)する予定です。

そのバックドア上場に際して行われるオファリングが10月26日から始まります!

投資家はこのフィリピンで唯一の、世界でも数少ないこの上場送電会社の株を格安の価格で取り引きできるまたとないチャンスです!

なお、ここで聴き慣れないバックドア上場という言葉が出てきましたが、

昨年フィンテックのSquidpayPremier Horizon Alliance(PHA)を通じてバックドア上場したことが話題になりましたが、

詳しくはその内容については過去の記事を参照ください。(リンクは1番下です)

Synergy Gridとは?

Synergy Grid&Development Phils. Inc(SGP)は、1970年6月1日にMankayan Minerals Development Company Incとして設立されました。

1994年2月22日、会社名をUEM Development Phils lncへ変更し、事業内容を鉱業活動から一般建設およびその他の関連事業へ変更してます。

 2011年3月28日に現在の社名へ変更し、事業内容も電力、エネルギー、公益事業、インフラストラクチャー、および関連事業に変更しました。

現在は持株会社として、NGCPの株式60%を所有しています。

なお、同社の会長兼社長はSMグループのヘンリー・シー・ジュニアであり、49.93%の株式を所有していますが、一般の投資家が所有しているのはわずか0.26%であり、最小の公開フロートである10%をはるかに下回っています。

今回Synergyは、証券取引委員会に提出された8月12日付けの目論見書に基づいて、最大10億5300万株の新普通株式と1億100万株の二次株式を売却予定ですが、

この株式取引の後、Synergyの株式の20%が一般に保有されますが、オーバーアロットメントオプションを完全に行使すると、21.92%に増加されます。

Synergyは、今回のNGCPのバックドアに向けて今年5月から株式を非公開にしており、

今回再IPOを行いますが、その収益を使用してNGCPへ資金を注文することが目的で、

NGCPは2021年から2025年の期間に約1,600億ペソの設備投資要件を予測されています。

その総額のうちエネルギー規制委員会によって承認された2022年のNGCPの総資本支出予算は376億ペソにのぼっています。

Synergy Gridの再IPOと公開募集

Synergyは今回の再IPOから約15億ドルを調達することを目指していますが、東南アジアの国で史上最大となり、今年モンデニッシンがIPOで調達しようとした13億ドルを上回ります。 

公募価格はもともと1株当たり15ペソから25ペソに設定されていましたが、

最終的には12ペソの価格で最大10億5000万株の普通株を公開予定ですが、公募期間は10月26日から11月2日までとなります。

なお、フィリピン証券取引所(PSE)のメインボードには11月10日に再上場する予定です。

BDO Capital&InvestmentCorpの社長であるEdFranciscoは、追加オファリング(FOO)の新しい価格帯の発表を受けて、投資家からの需要が急増していると語っています。

まとめ

今回のSynergy Gridの再IPOですが、

その魅力はなんと言っても国内唯一の送電会社であるNational Grid Corporation(NGCP)の株式を破格の株価で間接的に所有することができるチャンスです!

公募価格は12ペソと、もともと395ペソで取り引きされている名柄だけに、

激安と言っても言い過ぎではないと思います。

ただし、以前別の記事で書いたのですが10ペソ以上の場合、公募割れする可能性は高いことが注意しないといけませんが、

今、投資家の間でホットなネタだと思います。


関連記事:


バックドア上場について

SMグループとSyファミリーについて




画像引用:

https://mb.com.ph/2021/09/02/notice-of-annual-stockholders-meeting-of-synergy-grid-and-development-phils-inc/?amp

https://mb.com.ph/2021/04/16/ngcp-warns-of-thin-summer-power-supply/?amp


引用:

https://mobile.reuters.com/article/amp/idUSL1N2RI0QR

https://www.philstar.com/business/2021/10/19/2135040/synergy-grid-foo-strong/amp/

https://edge.pse.com.ph/companyInformation/form.do?cmpy_id=166

https://www.bloomberg.com/news/articles/2021-03-15/philippines-national-grid-said-to-tap-banks-for-1-5-billion-ipo

https://business.inquirer.net/329149/synergy-seeks-p-29-b-re-ipo/amp

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