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CRP(感染症) [父親目線の小児白血病闘病記] 僕は君を守れるか Vol Ⅱ-3

「来るなら来い!」と勝手に気負っていた僕の思惑とは裏腹に、娘の現実は厳しかった。

骨髄移植を行うためにも、先ず、病状を安定させなければならないからだ。
H先生の話では、白血病細胞(=癌細胞)を叩くために、以前よりも強力な化学療法を2・3クール行う必要があるのだが、それさえ行えないのが当時の状況だった。

おそらくは、既に骨髄の中が白血病細胞に侵されていて、正常な白血球が作られていなかったんだね。
その免疫力の低下した状況で、何らかの菌やウイルスに常時さらされての発熱やら下痢っだったんだ。

前にも書いたように、抗がん剤は悪い細胞を叩くと同時に、正常な細胞の生産も阻害する。
なので、免疫力はずっと低空飛行のまま。薬(抗生物質など)の力で、何とか感染から体を守りつつ、正常な白血球の回復を待つしか無かったんだ。

6月中頃からようやく体調が安定してきた。
骨髄移植を9月に見据えて、前回の化学療法より強力な薬による化学療法が再開された。白血球値がどんどん下がっていく。ついに好中球は0。血小板も輸血された。
そしてまた、三年ぶりに脱毛した。

7月後半、第2クールが終わった後、ついに高熱が出た。
その日のうちに解熱剤と抗生物質が投与された。
一旦は解熱するものの、しばらくすると悪寒がしてくる。そして、その1時間後には40度を超える発熱。連日、この繰り返しだった。
抗生剤も各種が投与され、最終的には免疫グロブリン製剤も投与された。
原因は尿路感染だった。日毎にCRP値(炎症反応の指標)は上昇し続け、ついには35を超えたところでようやくピークアウトし、快方に向かった。

たまたまなのか、それとも見えない何かが作用したのか、その週末は娘の誕生日だったんだ。
↓の画像は4その日の妻の記録
その後は発熱することもなく落ち着いたんだけど、傷口が修復するまでに1ヶ月を要し、
その結果、骨髄移植は11月に延期された。

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〜CRP〜
CRPは体内で、炎症反応が起きている時に生産されるタンパク質。
血液検査でこの血中濃度を測定する事で、炎症の度合いを知ることができる。
また、CRPは細菌の細胞膜に結合し、細胞構造を持たないウイルスには反応しない。このことから感染が細菌によるものか、ウイルスによるものかを予測する事がでる。(但し、例外もある)
一般的に
白血球(特に好中球)、CRP共に上昇していれば細菌感染が疑われ
白血球(特にリンパ球)が上昇してもCRPが低いままならウイルス感染が疑われる。
感染以外では
癌、膠原病、GVHDなどでも上昇する。

CRP値の目安
値<1.0:正常
1.0<値<10.0:要警戒
10.0<値<20.0:入院
20<値<30:集中治療
30<値:生命の危険


この闘病記、
僕は君を守れるか_序章_元疾患編 indexはこちら


僕は君を守れるか_破章_骨髄移植編 indexはこちら

僕は君を守れるか_急章_生体肺移植編 indexはこちら


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