マガジンのカバー画像

フライフィッシング 歳事記

6
釣りエッセイです。毎月1回その月の何かをテーマに、書いています。
運営しているクリエイター

#アマゴ

8月_持ってる父[フライフィッシング歳時記]

母が逝ってからというもの、父はすっかり元気を無くしてしまっていた。お盆に集まった姉夫婦と孫たちが帰ってしまうと、いっそう肩を落とした。 気晴らしになればと思い、渓流釣りに父を誘った。 そう言えば幼い頃、夏休みに父と二人でフナ釣りに出かけた事があった。 森林公園とゴルフ場の間の辺りの池だったと思う。長竿でウキを垂らしてアタリを待つ、、、その繰り返し。 夜勤明けだった父は僕にひとしきり竿の扱いをレクチャーすると、とうとう寝てしまった。 一人ウキを見ていた。 すると、不自然に

4月_オオクママダラカゲロウ [フライフィッシング歳時記]

かなり昔の事だけど、会社勤めしていた時 職場の同僚達としたお花見で、エライ騒ぎに巻き込まれた事がある。 いや、正しくは、巻き込まれたのでは無く、巻き込んだ?のだ。 事の張本人は僕。どうもアルコールが入ると気が大きくなってしまうフシがある。 大いに盛り上がってほろ酔い気分。夜間照明が落ちて、どこの宴会もお開き。僕たちも帰り支度を始めた頃、茂みの向こうで数人のグループのケンカが始まった。 初めは皆んな無視していたが、多勢に無勢の余りに一方的な状態がかなり深刻な事態に思えて、 「