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[物語のある英語]~第12回~Chicken scratch 鶏が引っ掻き回すとは?

-こんにちは!スロバールです。

言葉は人によって作られた。だからその過程には物語があって味がある。
単語帳では語られない物語を味わって味わい尽くそうというのが本シリーズの目当てです。

第12回目は「Chicken scratch」についてです。直訳するとChicken (鶏)+ scratches (引っ掻く)で、鶏が引っ掻くというような意味になってしまいますが...

◆目次◆

・この表現の意味と例文
・Chicken scratch の由来
・Chicken scratch の関連表現

◆この表現 の意味と例文◆

この表現の意味は「汚くてどう頑張っても解読不可能な手書きの字」という意味です。
ただし、単に字が汚いことを言うのではなく、書いた本人には分かるが他の人が読んだらわからないというように、自分だけの世界を作り出している字のことを指します。

念のために、英英辞典では意味を確認してみましょう。

ミミズが這ったような字の意味だということが見て取れますね。

【使い方】
What are you writing? I can’t read this chicken scratch.
(何書いているん? こんなミミズが這ったような字読めないよ!)

Your handwriting looks like chicken scratch.
(君の手書きの字はミミズが這ったような跡で判読不能だ。)

◆Chicken scratchの由来◆

この表現の由来は、泥まみれになったニワトリが不規則に残していった足跡です。

狭い場所にギュウギュウと押し込められるように飼われている鶏を想像してみてください。

お世辞にもあまりきれいな環境ではありませんよね。
コッココッコと鳴きながら無造作に動いている者あり、泥遊びなのか泥に足を突っ込んで遊んでいる者あり、そんな彼らが作る足跡は天文学的に不規則でメチャメチャです。

というイメージを20世紀の真ん中頃に、ある学校の先生が生徒の汚い字を見て思い浮かべたことから使われ始めた表現です。

今ではちゃんとした英語の表現として辞書にも載るようになっているのですが、これは生徒の字の汚さに共感した先生の数の多さを裏付けているのかもしれませんね!

ちなみに日本語の「みみずが這ったような」の語源についても調べてみたのですが、これは全く手がかりが掴めず。昔は農耕民族だった日本人なら畑を耕す時にミミズは普通に見かけるものなので自然とミミズを汚い字に例える発想が生まれたのでしょう。

もし昔の日本人が畜産業メインだったら、「ミミズが這ったような字」という表現は生まれず「鶏が暴れたような字」になっていたことでしょうね。

やっぱりお国柄を考えることは、その国の言語を理解する手がかりになると思います。

◆関連表現◆

「汚い」を表す言葉として「messy」という形容詞が使えます。
しかし日本人の中では誤解の多い形容詞でよく、「dirty」と「messy」を間違って使っている人が見受けられます。この違いを今日はマスターしていきましょう。

「Messy」は 乱雑さを表す言葉です。よく整理されていない状態を表すと言えます。
対して「Dirty」は汚れがひどい状態を表す言葉で、心が汚れていると言う場合もこちらを使います。

またScratchが入った言葉として「Scratch paper」という表現があります。
これは「雑がみ」で、とりあえず間に合わせのメモ用紙になるような紙のことです。
そういう用途の紙にはあまり丁寧でメモをせず、どちらかというと走り書きで「Chicken scratch」のような字で書きますよね?

そういったことからScratch paperは雑がみという意味になるのは納得ですね!

今回も読んでいただきありがとうございました。
何か新しく学べるものがあったのなら嬉しく思います。

それではまた次回お合いしましょう!

いつも記事を読んでいただきありがとうございます。英語学習に苦しんでいる方、つまらなそうに嫌々語学を学んでいる方が周りに居ましたら、シェアしていただければと思います。楽しく、深く、語学に取り組める人が1人でも増えたら幸いです。