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イケア製品を生き物の住処に。生物多様性の改善に貢献する、グッドアイデア

2030年までに、循環型およびカーボンポジティブなビジネスへの転換を目指すイケア。「イケアのサステナビリティレポートFY20」によると、2019年9月~2020年8月における、カーボンフットプリント総量の4%は、製品の廃棄によるものだったといいます。

イケアのサステナビリティレポートFY20

カーボンポジティブとは
環境化学用語で、温室効果ガス(特にCO2)を削減した際、ライフサイクル全体をみて、排出される量より吸収できている量が多くなっている状態。何らかの製品を購入したりサービスを受けたりする際、CO2排出量がプラスマイナスゼロの場合は「カーボンニュートラル」と呼ぶ。これに加え、さらにプラスのCO2吸収ができている場合「カーボンポジティブ」と言うことができる。


カーボンフットプリントとは?
カーボンフットプリントとは、Carbon Footprint of Productsの略称で、頭文字をとってCFPまたは単にCFと略されることもある。商品やサービスの原材料調達から製造、輸送、消費後の廃棄、リサイクルに至るまでのライフサイクル全体で排出された温室効果ガスをCO2排出量に換算して「見える化」し、商品やサービスに分かりやすく表示する仕組みのことである。この数値が大きければ大きいほど、環境への負担が大きいということになる。


製品の廃棄によるカーボンフットプリントの削減

同社は、製品の廃棄によるカーボンフットプリントの削減をさらに進めるとしており、その一環として、廃棄物を発生させないための対策を講じるとのことです。これには、人々に再利用を促し、製品の寿命を可能な限り長く保つことが含まれています。

イケア全体でこういった大きな目標が掲げられるなか、イケア・カナダは2021年8月、人々が使い終わった同社製品を別の用途に再利用するための方法を紹介した説明書「Repurposeful Instructions」を公開しました。これは製品をできるだけ捨てず長く使ってもらいたいという考え方です。イケアの組み立て説明書を見たことがある人にはお馴染みの、大きなイラストが載った説明書を、同社のサイトから無料でダウンロードできようになりました。

Repurposeful Instructions

8月現在、サイトで公開されている説明書は約10種類。皿立てを本立てとして再利用するアイデアや、引き出しの前板を靴置きに作り替える方法などが紹介されています。再利用の難易度は、工具を使う必要がないものから、スクリュードライバーやロープを使うものまで様々あり、DIYの初心者からベテランまで、幅広く楽しめるようになっています。

生き物の住処として生まれ変わらせるアイデア

Repurposeful Instructionsのなかで特に注目したいのが、イケア製品を生き物の住処として生まれ変わらせるアイデアだ。買い物バッグを吊り下げ式プランターにしたり、サラダボウルで鳥の巣箱を作ったり、キャビネットを蜂の巣箱にしたりする方法が紹介されています。これまで植物や動物を育てていなかった人が、これをきっかけに自然と触れ合う機会を増やすこともあるのではないだろうか。生態系の保護や生物多様性の改善に貢献する、グッドアイデアとなっています。


イケア効果でより長く愛せるものを生活に

ハーバードビジネススクールの研究によると、私たちには、自分が作ったものに高い価値を見出す「イケア効果」という心理効果があるそうです。同社の家具が組み立てを必要とすることから、こう名付けられている。Repurposeful Instructionsを見て製品をさらに作り替えれば、より一層そのものに愛着が湧くのではないでしょうか。長く愛せるものを、生活に取り入れてみたいですね。

参照:


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