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声を出すトレーニング① スキルチェック

こんにちは。
手話通訳士の自習室、室長です。

皆さんは、日本語で話すのは得意ですか?

手話通訳を目指すにあたって、
手話技術を磨く努力は当然すると思いますが、
日本語って「できて当然」という感覚があって、
わざわざトレーニングをしないという方が多いかもしれません。

でも、日本語で話す力は個人差がかなり大きいですね。

仕事で人前で話す機会が多い人は、
話すことにストレスを感じることもなく、
立て板に水で話せる方もおられます。

一方、生活の中で身近な人としか話す機会がない方だと、
言いたいことはわかっているのに言葉が出てこなかったり、
緊張で頭が真っ白になったりしがちです。

また、せっかく読み取れているのに、
声が小さくて相手に伝わらなかったり、
癖が強くて伝わりにくかったりしたら、もったいないですね。

もし、ろう者の手話を読み取り通訳する際に、
「わかっているけど日本語がうまく出てこない」
「思ったように声が出ない」
と感じておられるなら、
もしかしたら「声を出すトレーニング」が役に立つかもしれません。

手話通訳も言語通訳ですから、
手話と日本語はどちらも、起点言語であり目標言語。
どちらも対等に磨いていくよう心がけています。

日本語の磨き方について日ごろ実践しているのは、
(1)洗練された日本語を使う
(2)聞きやすい声で話す
の2点ですが、
今回は(2)について、
私が2回目の受験の年にほぼ毎日行った練習方法をご紹介します。

本当はちゃんと通訳技術トレーニングとして
系統立てて書けると良いのですが、
そうしようと思って準備しているうちに何日も放置してしまったので、
本稿ではサクッと、自己流のままで。

聞き取りにも読み取りにも

日本語音読や日本語シャドーイングは、
読み取り通訳(手話→日本語)のためのトレーニングと
思われがちですが、
読み取り通訳、聞き取り通訳(日本語→手話)
どちらにも効果があると感じます。

読み取り通訳では、
日本語を表出するのがスムーズになりますし、
声のことを気にかけなくて良いので
手話の読み取りに神経を集中させることができます。

聞き取り通訳では、
話者のメッセージを理解して記憶する力が高まります。
私たちはふだん、家族や友人、職場の人など、
知っている人とのコミュニケーションが中心ですが、
音読やシャドーイングで出会うトピックは
馴染みのないものが多く、
それらに日常的にふれるだけで知識も広がりますし、
繰り返すために集中して聞くため、
しっかり聞いて理解する力も身につくのです。

スキルチェック

厳密な基準ではありませんが、
まずは、
自分の調子を確かめるために
今もときどき行なっているチェックをご紹介します。

レベル1:音読

新聞でも書籍でも、何か好きな文章を音読してみます。
新聞なら1記事くらい。新書なら1ページくらい。

小学生の頃していた音読。
久しぶりにしたら出来なくなっていた、という方、
大丈夫です。
次の記事で音読のトレーニング方法をご紹介します。

よどみなくスラスラ読める方は、
次の「音声のシャドーイング」に進みます。

レベル2:ゆっくりめの音声をシャドーイング

ゆっくりめの音声を、聞きながらそのまま繰り返します。
原稿(文字)はありません。
Podcastというラジオアプリを使っています(無料)。


「話題の話題」↓

「おえかきむかしばなし」は子ども向けに語っているので、さらにゆっくり↓

文字がなく声を聞くだけでシャドーイングをするのは、
経験がないと意外とうまくいかないものです。

うまくいかない方も、大丈夫です。
次の次の記事で、
日本語シャドーイングのトレーニング方法をご紹介します。

楽にシャドーイングできる方は、次のニュース音声へ。

レベル3:ニュース音声をシャドーイング

同じくPodcastで、アナウンサーによるニュースをシャドーイング↓



これでスキルチェックは終わりです。

いかがでしたか?
「案外つっかかる」「こんなに滑舌が悪かったんだ…」など
ご自分の日本語を話すスキルについて気づきがあったと思います。
また、日ごろ使わない顔の筋肉を動かすので、
顎が疲れたり、頬が筋肉痛になったりする方もおられるかもしれません。

ご自分がうまくいかなかったレベルで何度も練習していると、
だんだん慣れて、次のステップに進めますから、
焦らず続けていきましょう。

1回短時間で長期間やった方が良さそうだな、と思っているので、
試験対策の最初に挙げました。
少しずつ上達していくので、慌てずに頑張りましょう。


次の記事では、
私が実際に2回目の受験の年に行っていた
音読トレーニングをご紹介します。

手話通訳士の自習室は、
手話通訳士試験を受験される皆さんを応援しています。

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