声を出すトレーニング②音読
こんにちは。
手話通訳士の自習室、室長です。
本稿は「声を出すトレーニング」シリーズ2回目。
前回のスキルチェックでつまづいたところから
トレーニングを始めていきましょう。
スキルチェックの記事↓
音読トレーニング
日本語の文章を音読するトレーニング。
私なりの目標は、
「止まらずにスラスラ読めるようになる」
「癖が少ない話し方」
としています。
題材選び
まずは題材選びです。
手話通訳士試験の実技試験の出題内容は、
聞取り通訳、読取り通訳共通で次のとおり。
場面としては、
聞取り通訳では、市民講座やろう協主催の小規模な講演会、ろう者に対して何か(治療や商品について)を説明する場面が多いです。
読取り通訳では、ろう者が手話サークルなどで体験談を話す場面や、役所や企業の相談コーナーにろう者が訪れて、問い合わせやクレームをする場面が多いです。
いずれも、専門性が高い内容ではないため、トレーニング題材としても、新聞の政治経済面などの難解な文章を選ぶ必要はありません。
また、説明文が多いので、小説などは試験対策には合わないかもしれません。
せっかくするなら、試験に役立つ時事情報も一緒に仕入れましょう。
私が読んできたものをご紹介します。
①手話通訳士試験の過去問
手話通訳士試験の過去問は、第15回以降が公開されています。
学科試験は問題用紙と正解、
実技試験は、聞き取り通訳の読み上げ原稿と、
読み取り通訳の要約文が公開されています。
聞き取りも読み取りも毎年2題ずつ出題されるので、聞き取り通訳の読み上げ原稿だけでも30題以上あります。
のちに聞き取り通訳の練習にも使いますから、
覚えてしまうまで音読すると使えなくなりますが、
ランダムに5〜6題音読すれば、
出題文の雰囲気やジャンルがわかりますし、
のちの題材探しの参考になります。
②子ども新聞
受験当時、子どもが小学生だったので、
購読していた読売KODOMO新聞(週刊)の
時事ワードを解説する記事はとても役立ちました。
一般紙は、私は活用しなかったのですが、
コラムや社説などが音読しやすいと思います。
③市政だより
市政だよりも、市民に伝えたい情報がわかりやすく書かれているので、よく音読しました。
環境や健康、教育など、身近なテーマの最新情報を知ることができて便利です。
④日本聴力障害新聞(日聴紙)
全日本ろうあ連盟が発行する月刊紙。
聴覚障害関連の最新情報を仕入れる一番の材料です。
同じく全日本ろうあ連盟が出版している『季刊みみ』は、写真が多めでさまざまな話題をさらに深掘りした雑誌。こちらは音読には使いませんでしたが、今も購読しています。
練習量
私はあまり根を詰めすぎると
すぐに投げ出してしまうタイプなので、
1回1〜2記事くらいです。
「毎日するぞ!」とも気張らずに、
「できるだけ毎日」くらいで。
音読する
あまり細かいことを気にせずに音読します。
文章の先を目で追いながら声を出していくのが
慣れるまでは少し難しく、
私は、呼吸のしかたが難しい時があります。
スピードを変えたり、
詰まる言葉は何度か言ってみたり。
朗読の専門知識があるわけではないので、自己流です。
アナウンサーの練習法などを勉強すると
もっと良いのかも知れませんが、
あまりこれに集中しすぎるよりは、
軽い気持ちで長く続けた方が良いかな、と考えています。
録音する
「録音」「録画」、嫌ですね。
私もいつまでたっても苦手です。
でも、自分の声や手話の癖を知るには、
録音・録画は欠かせません。
今は、専用の機器がなくても、
スマホのボイスメモ機能で簡単に録音できます。
ただ、夏以降、聞き取り通訳の練習をする時に、
けっこうたくさんの題材を録音しましたので、
小さいボイスレコーダーは買っておいても良いかもしれません。
録音した自分の音声を聞くと、
声の高さやスピード、間、癖など、
とてもたくさんの気づきがあります。
私の癖は呼吸音。
息を吸い込む音がとても大きいのです。
そんなこと気にしたことなかったので、
気づいた時は驚きました。
いろいろ改善策を試している最中。
まだ正解にはたどりついていません。
声質は簡単に変えられるものではありませんが、
声の大きさやスピード、間などは、
注意しておくだけで修正される部分です。
声の癖は、試験結果に直接関係するものではありませんが、
今後の通訳活動に役立つと思います。
毎日録音すると気が滅入るので、
まずは1回録音してチェックしてみて、
それから週1回〜月1回くらい
チェックの意味で録音してみる、くらいが良さそうです。
記事をストックしておく
日本聴力障害新聞は2年分くらいファイルしていて、
子ども新聞や市政だよりの記事は、
クリアファイルにランダムに保存していました。
学科対策がひと段落したら、
これらのストックを過去問と一緒に一気に録音して、
聞き取り通訳の練習に使いました。
以上が、
音読トレーニングの方法です。
題材を選ぶ
↓
音読する
↓
ときどき録音する
↓
記事はストックしておく
あまり気負わずに、
「いつも黙読する文章を1分だけ音読してみる」
みたいな感じで、
気軽に取り組んでみてください。
おすすめの手話動画チャンネル
4/2の当noteで
「おすすめの手話動画チャンネルを1記事につき1つづつ紹介する」
と自分で言ったのをすっかり忘れていました、すみません。
男組
砂田アトムさん
野﨑誠さん
江副悟史さん
板橋みつおさん
今井彰人さん
の5人からなる演劇集団。
YouTubeチャンネルでは、毎週持ち回りで「男組リレー日記」を掲載されています。
こちらは別チャンネルですが、
東京オリンピックに向けて、
競技の手話表現などを紹介した動画集↓
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次回予告
次の記事は、「声を出すトレーニング」シリーズ最終回。
「日本語シャドーイング」です。
手話通訳士の自習室は、
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