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長いあとがき2022(くま解説編)

前回に続きまして「生活のたのしみ展2022」振り返り。今回は作品解説です。

持ち物くま

すでにお伝えした通り、60体のくまのうち、10体は何かしら手に持った「持ち物くま」で、そのアイテムは「やや個人的なチョイス」でした。


51 salmon

まずはシンプルに「くま」といえば「鮭」ということで制作。2020年の「デリな生活のたのしみ展」では、横向きの鮭を下から抱えるような持ち方(ハトヤ持ち)でしたが、今回は縦に持っております。実はキューライスさんの悲熊スタンプの中にある「鮭…あげます」へのオマージュだったりもします。


52 imo

「サツマイモはスーパーフード」という説を耳にして以来、今年の冬はよくスーパーで焼き芋買っていたこともあり制作。いつもシルクスイートと安納芋の2種類が店頭で並んでいたのですが、好みは断然後者だったので、imoの芋は安納芋。




53 nikuman

過去の作品でパンダに肉まんを持たせたことがあり、フェルトで肉まんを作るのは得意だったので、くまにも持たせてみました。写真は白飛びしてわかりにくいのですが、生地の上部はちゃんとひだを寄せて閉じた風になっています。


54 mamedaifuku

豆大福も得意なアイテムのひとつです。黒豆の上にうっすら白いフェルトをかぶせることで「粉感」を表現。ほぼ日のコンテンツに「あんこもの」があったことも少し意識して制作しました。



余談ですが

ちなみにimo、nikuman、mamedaifukuの3つを「買い食い3部作」と呼んでいます。イメージとしては、「おうちで食べるつもりで買ったのに、我慢できずに帰り道の途中で食べてしまった」という設定。ゆえに紙袋を持っています。

持ち物シリーズを作るうえで「食べ物系」は欠かせないのですが、「立ちくま」である以上、「立って食べる必然性があるかどうか」は重要なポイントになります。



55 ocarina

何か楽器を持たせたらどうだろう…と考えて思いついたのがオカリナでした。素朴な質感と音色がくまに合いそうに思えたので。耳をすますと「ポポー♪」と聴こえてきそうな。


56 ahiru

お風呂に浮かべるアヒルの造形が好きなので持たせてみました。実は当初、「タライに浮かべたアヒル」として制作しておりましたが、くま用ボックスに入らないことがわかり、急遽「洗面器サイズ」に。アヒルが少し窮屈そう。




57 daruma

日本人の生活に自然に馴染みつつも、よくよく考えたら不思議な存在である「だるま」。独特のフォルムと、それが持つ稀有な役割に心惹かれ、くまに持たせてみました。だるまの方が少し戸惑った表情になりました。


58 haniwa

造形的な魅力もありますが、それ以上に「踊るハニワ」という名称が好きで持たせてみました。どんな心理状態の時も「踊るハニワ…」と認識すると、少し気分が上向くような気がして良いのではないかと。




59 tower

昨年末、東京スカイツリーに登った時に東京タワーの良さを再発見したので持たせてみました。持った雰囲気がトロフィーっぽいところも気に入っています。まるでくまが何かを受賞したかのような。東京土産としてもおすすめです。




60 techo

言わずもがなの、ほぼ日手帳をイメージ。
ペンホルダー2つと栞が2本というところがポイント。くまが手帳にどんなことを書いているのか、想像すると楽しくなります。



「物」を作るのが好き

口のまわりにも粉感


Sleepy Sheepは主にフェルトで動物を作っておりますが、動物と同じくらい好きなのが「物」モチーフ。過去にエッフェル塔やミニ(ローバー)や、実物大の食パンやハンバーガーを作ったこともあるほど。けれど、物や食べ物モチーフは時間がかかる(ゆえに価格が高くなる)上に、「愛でられづらい」ということもあり、なかなか作る機会を得られず。

それが「くまに持たせる」ことで、作りたい欲が満たされ、しかも小さく作れば良いので短時間で済み(ゆえに価格が抑えられる)、メインはあくまで動物なので「愛でられやすい」という、私にとっては全てが叶えられる夢の発明なのでした。

おかげさまで多くの方にご覧頂き、「たのしさ」を共有できたように思います。ブースでは皆さまの笑顔を幸せな気持ちで眺めておりました。



次回は初日の会場の様子をお届けしたいと思います。

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