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さくらの魔力

僕の知る限り、世界で一番夜が似合う花である。

においもなく色も薄いのに人を狂わせる何かがある。

今年は結局お花見をする予定はないけれど、今僕の脳内で桜が満開である。ビールを少々飲んだからだ。

今この瞬間がつらいかどうかって、結局気の持ちようではどうにもできないのだろう。一生付き合っていくしかないのだろう。

僕は考える。

この間まで、一片たりとも咲いていなかったずだ。いつのまにこんなことになっていたのだろう。さようならとか、こんにちはのようなものだ。

ところで、坂口安吾の”桜の森の満開の下”という小説は、桜の狂気を完全に表現している。かずまくんの好きな小説トップスリーに入る傑作だ。

右脳に咲く桜を見ながら、大学時代、地下の図書室であれを読んだこと、誰もいないへんな世界に迷い込んだことを思い出した。

もう少ししたら春が終わり、みんな春を忘れる。

それではみなさん、さようなら。


「スキ」を押して頂いた方は僕が考えた適当おみくじを引けます。凶はでません。