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絡むーちょ

僕が中学生くらいのころ、ミクシィすらなかった時代に、前略プロフィールというサイトがあった。知ってる?

生年月日とか、好きな音楽とか、自分のプロフィールを羅列できるホームページだ。
今でいうツイッターのような、簡易日記のページもあった。(リアタイと呼んでいた、なつかしい。)

僕も当たり前のようにやっていた。消した記憶はないので、いま試しに探してみた。見つからなかった。心の底からホッとしている。永遠に眠っていてくれ。

タイトルの”絡むーちょ”という言葉は、プロフィールの一項目で、確か、”こんなひとと仲良くなりたいです”というような意味だ。

あと、頭の悪いカップルがsince構文を使って愛の軌跡を残していた。それは今も同じだね。

僕は1992年生まれ。インターネットの発達とともに育ち、自我を形成した世代である。平成インターネットの生き字引であり、おもしろFLASH倉庫に思い出をしまっている。

そして、時々スマホを捨てたくなる。

これを捨てたらnoteを書けないし、YouTubeで可愛い女の子のゲーム実況を見られないし、ライブ告知もできない。たしかに便利だけど、時々ヤになる。

この感覚は僕たちの世代特有なのかなと思う。

どこが特有なのかというと、いくら嫌になっても実際には捨てられない点だ。

人と繋がりすぎない楽さと、簡単に繋がれる楽しさの両方を痛感しているため、感情が倒錯する。

十代の人たちは、SNSを見続けて1日が終わるのも茶飯のできごとだろう。楽しそうだなあと思う。

逆に、もっと大人だったら、こんなものに一喜一憂せずに自分の足で立っていられるのかもしれない。

ある特定の時代の、たかだか80年を生きる。これだけでかなりの偶然だ。僕がこの時代に生まれるのと、古代中国の商人の娘に生まれる確率は同じだ。不思議だ。

楽しいことなんてめったに起きない。ブルーハーツを聴いたって給料は上がらない。かといって、明日死ぬこともない。

でも、せっかくだしこの時代の蓋を開ける。臭いものを嗅ぐ。

なんせ、楽しいことなんて起きなくてさ。退屈なんだよ僕らは。

since 1992.11.20〜 悩める暇人



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