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眠り棒今年の10曲によせて

僕は音楽が世界で1番好き。聴けるときはいつも音楽を聴いている。

今年擦り切れるほど聴いた曲から10曲厳選し、Apple Musicのプレイリストを作った。

イブの夜、じっと聴き返していたら愛が溢れてきたので、それぞれ良さを語ろうと思う。それはそれは長くなると思うから覚悟してくれ。

①エスパー/ミツメ

ミツメ、以前はそれほど好きではなかったのだが、この曲は良すぎる。バンドがなんらかの壁をぶち破る瞬間を目撃した。ブレイクスルー。
Aメロの危うさ(聴けばわかる)からの150%キャッチーなサビ。ミックスも最高。スネアドラムが僕の1番好きな音がする。ギターの音とアレンジの余白もいい。詞も最高。

名前を書いて消していた頃みたいに 呼び合うこともしないまま夜はふける

②Angelina/Pinegrove

最近は洋楽をあまり聴かない。が、このバンドは別。Cardinalというアルバムを聴いて好きが溢れてから、新譜をずっと楽しみにしていた。伝わりやすく言えば、Weezerをもう少しクリーンにして削ったサウンドなんだけど、音圧がないのがめちゃくちゃいい。ベットリしてない。
YouTubeでAudiotreeのスタジオライブを見たら、スネアにアホみたいにミュートテープが貼ってあってカッコよかった。たぶん数年後日本で流行る。

Cadmiumも名曲なので聴いてくれ。

③砂鉄/チャットモンチー

入れないわけにはいかない。チャットモンチーのラストアルバム”誕生”。最後でありながら、めちゃくちゃ実験的な一枚だ。退かぬ媚びぬ省みぬ。って感じ。エレクトロの要素をふんだんに詰め込んでいて、青春のお供としてチャットモンチーを聴いてきた人はびっくりすると思う。だが本質は変わっていない。なかでもこの砂鉄という曲、帰りの電車で泣いてしまった。作詞は元ドラムの久美子さん。言葉の時点で天才。それを歌うえっちゃんの説得力が天才。なんという奇跡、末代まで語れ。

④Talking Across The Room/Hearsays

僕はよくSoundcloudで音楽を漁る。プロアマ国内外問わず、気軽に自分の曲を投稿できるSNSのようなもの。何でもそうだけど、売れてないとしても絶対に良いものがこの世にはたくさんあって、それを見つけることができるからだ。とはいえ、刺さらない曲の方が圧倒的に多い。長くて30秒くらい聴いて好きかどうか判断してしまう。

で、開始2秒で好きだった曲がこれ。英詞だし、海外のバンドだと思っていたのだが、シャンモニカのさやかちゃん曰く、九州のバンドらしい。邦楽の救いか。言われてみればちょっとキュートな発音をしている。ライブを観たい。

⑤エーテルロケットNO9/まつきあゆむ

この人もSoundCloudで見つけた。といっても、彼ははすでに商業音楽の世界(CMソングとか)で活躍をしているプロだ。で、この人、ポップソングを1週間に1曲作り、サウンドクラウドにあげる”新曲の嵐”というイカれた企画をこっそりやっていた。覚えてる限りで200曲くらい出してた。暴風が過ぎる。さすがだ。

そもそも、くるりのラジオ内の曲募集に毎週新曲を出して、岸田さんが”毎週作ってくるやばいやつがいる”と注目して、世に出たらしい。最高か。サウンドのルーツはビートルズだと思う。転調の使い方がそれ。でも、日本語の歌詞がすごく素敵で、僕はビートルズより好き。夏の間ずっと聴いてた。

⑥Summer Plan/sora tob sakana

この夏、ハイスコアガールという完全超絶最高アニメが放映されていた。始まる前からかなりオススメされていたので、こころして見ようとした。リモコンポチ....”いや、ちょっと待てオープニング曲なんだこれ。頭がおかしい。”となったのが、sora tob sakana のNew Strangerという曲。

並みのアイドルソングじゃない。間違いなく性癖に偏りがある人が作っている。調べると、僕が高校生くらいの時に流行った残響レコードのハイスイノナサというバンドのひとがプロデュースしていた。僕は、残響系バンドがあまり好きじゃない。テクい演奏や世界観が歌を超えてしまっていて、感情移入できなかった。(ハイスイは好きだったけど)

が、そういう人たちがポップなアイドルソングを狙うとこうなる。超絶変態アレンジと絶望的な歌唱力のケミストリー。科学の進歩を見た。彼女たちの曲で1番好きなのがSummer Plan。長くなった。聴いてくれ。というか、オタクはこんな変拍子にも合いの手入れんのか...つよい...

⑦ティーチャー?/集団行動

今年、自分のバンドの音源を作った。ミックスを三軒茶屋のクロスロードスタジオというところに頼んだ。ここは、相対性理論の1stと2nd(どちらも超名盤)のミックスを担当した由緒正しきスタジオである。僕はこのスタジオのトイレに入った時、”やくしまるえつこも使ったのか。”と気付いてしまい、”排泄排泄排泄排泄排泄排泄ワールド〜♪”と歌いながら用を足した。ゴメン、僕のキモエピは今いらないよね。

で、ミックスそっちのけ?でエンジニアの方に相対性理論愛を熱く語っていると、相対性理論の作曲ブレーン、まべさんの現バンド、集団行動をオススメしていただいた。なぜか聴いてこなかったのだが、聴いたらちゃんとやられた。真部脩一について語ると1記事終わるので、とりあえずこの曲、聴いてくれ。”つらいだけで立派な恋だった”と歌うところが最高だから。(リンク先のはショートバージョンです)

⑧Lukewarm/さとうもか

先述のサウンドクラウドのおかげで、岡山の港町にさとうもかという天才がいることは知っていた。この曲も、宅録時代の音源をすでに聴いていた。みんな聴け!と思って過ごしていたら、東京の入江陽さんという才能のあるひとが彼女を見つけてくれて、しっかりプロデュースしてくれた。

Baby 恋をすると人間になっちゃうってママの言ってた事は本当だね

俺的今年一のパンチライン。女性にしか書けない。こういう、僕には絶対に書けない言葉に出くわすと嬉しくてたまらなくなる。

原曲ですでに良いのだが、リリース版のLukewarm、アレンジが素晴らしい。彼女の良いところを全部引き出している。弦楽器をこんなに上手に使ったアレンジそうそう聴けない。ユーミンの再来とか、いろいろ言われてるけど、単に天才。再来とかじゃない。

⑨恋しい日々/カネコアヤノ

(この映像の一曲目)

カネコアヤノさんが今年リリースした名盤”祝祭”から一曲。このアルバムが話題になるまで彼女のことを知らなかったのだが、なんでも、スピッツの草野さんが推しているらしい。草野さんが好きなものを聴かないわけにはいかない。

歌声の芯がめちゃくちゃ強い。可愛い女の子フォークシンガーなんて言葉じゃ収まらない。完全にロックのかっこよさ。(彼女はめっちゃ可愛いけど)。弾き語りのライブ映像を見たら、カリスマにしかできない瞳をしていた。なんとも言えないあの目。

強い日差しと熱を持つ自販機で冷たいレモンと炭酸のやつ 買った

炭酸の”やつ”が良い。もうここらへんは僕の性癖なので良い以外言いようがない。あと、言葉とメロディに仕切りがない。特に日本語だと、発音の特性上、言葉は言葉、メロはメロとなりがちだけど、彼女はそういう次元にいない。ライブを観たい。

⑩水辺/ベランダ

満を持して、ベランダの登場だ。今年1番眠り棒を救った音楽。昨日、自分のバンドの忘年会でも30分くらいベランダの良さを語ってしまった。

聴いて欲しいとしか思わないんだけど、あえて語るとすれば。シンプルかつ工夫を凝らしたアレンジを土台として、純粋な言葉が美しい歌メロに乗って一生流れ続けるバンドである。

転調なんかも多用するのだが、必然の転調。表現のために転調をしている。だから違和感がない。よくないバンドにありがちなのが、転調したいから転調してるパターン。手段と目的が逆転したらバンドは終わり。my new gearなんて言ってる場合じゃないぞ。

好きだからという理由でバンドを続けているが、さまざまな邪念に触れるし、自分のやっていることが信用できなくなってくることもある。これでいいのかな?俺はいい曲だと思うけど...という気持ちに苛まれる。そんな沼から引きずり上げてくれた。

“これがいいんだから、これがいいのだ”

と思えた。曲を作りたくなった。個人的に、今年1番思い入れが強いバンド。週末ライブ見に行く。願わくばいつか対バンしたい。


以上です。来年も素敵な曲にたくさん出会えますように。メリークリスマス。

「スキ」を押して頂いた方は僕が考えた適当おみくじを引けます。凶はでません。