缶コーヒーみたいなひと

仕事に行く前、ギリギリまで布団の中でうだうだする。いやだなあと思いながらシャワーを浴びて、少しスッキリ。そして、いやだねえと思いながら仕度をして、コンビニでパンとレッドブルを買い、駅へ向かう。

というルーティンがあったのだが、この時期になるとレッドブルが寒すぎる。翼より毛布が欲しい季節。

僕は保守的なので、こういうルーティンを崩すのが苦手だ。先週富士そばに3回行ったのだが、好きだからという理由で3回ともカツ丼を食べた。選べ。そばやうどんを食え。

とはいえ、翼は冷たい。風邪を引いてしまう。
断腸の思いでレッドブルからあったかい缶コーヒーに変えた。変えても別に全然平気だった。

だが、うちの近くのセブンイレブン、缶コーヒーがめちゃくちゃ熱い。缶が熱い。たぶんマグマで加熱してる。

このマグマ缶、最初はマグマの温度なのに、飲んでる途中で急に冷たくなる。”ぬるい”を経ずに冷たくなる。そもそも、中身のコーヒー自体は最初から最後までちょうど良い熱さなのだ。熱伝導の不思議だ。

コンビニで働いている友達に、この件について聞いたところ、メーカーから

”缶は、外がめっちゃ熱くなるけど中身はそうでもないよ。ペットボトルはその逆だから温度調整してね。”

といった注意喚起をされるらしい。注意を無視するとマグマ缶ができあがるということだろう。

いま、コンビニの駐車場にいる。仕事は休みだけど、散歩をしたくなった。

缶コーヒーを飲みながら、僕は缶コーヒーみたいなひとかな。それともペットボトルのお茶かな。あのひとはどうだろう。なんてことを考えている。

吐く息が白い。