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夜更かしという罪について

メーデーメーデー。宇宙船眠り号より管制塔に告ぐ。

現在、2018年12月16日日曜日、早朝5時
なんとなく眠らないまま過ごした。土曜日は一日中気分がすぐれなかった。0時を過ぎたあたりにようやく、何かをしてみようという気になった。曲を作ったり、飼っている犬を揉んだり、録画していたジョジョを観た。ブチャラティ大好き。オーバー。

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よく言われる“物心ついた頃から”という慣用句。

僕は物心は二回つくと思っている。僕にとっての二回目は、モラトリアム大陸から社会の大海に放り出されて、自分が何者でもなく、弱い存在だと気づいたあの瞬間。

二回目の物心がついてから、僕は夜更かしばかりするようになった。

夜更かしにもパスポートが要る。僕はいま、夕方から夜にかけての仕事をしているので、いつでも真夜中に入国できる。目的?観光です。

もののあはれにまみれ、欲望のままに朝を迎えると、いまだに少し罪悪感が残る。この気持ちは一体なんだ。

例えばこんな人がいるとしよう。

朝の6時に起きて、ジョギングをしてからトーストを焼く。身なりを整え都会の会社に向かい、帰宅後は家のことを済まし、仕事に役立つ本を読み0時に眠る。

僕は彼の話を聞いたら、根拠もなく、”えらいな”と思う。そして同時に、”僕はえらくないな”と思う。

心に影を落とすものの正体はたいていこれだ。誰かを見ては感じる”自分よりすごいな””僕はこうはなれないな”という劣等感。申し訳なさ。

社会の海では、定期的に運動会が催される。雇用の種類。収入の多寡。恋人の有無。容姿の美醜。これらをピストルに詰め号砲を放つと、一斉に横一列のマラソンが始まる。

でも、よくよく考えたらおかしい。誰かに迷惑をかけているわけでもあるまいし。どう生きるかに優劣があってたまるか。マラソン、サボってしまえ。仮病上等だ。

とはいえ、罪の意識のおかげで夜は楽しくもなる。

コンビニでポテチやギャツビーのヘアワックスを盗む中学生。彼らは、お金がないから万引きをするのだろうか。うすしお味に飢え、いますぐ毛束感を出さないと死んでしまうから盗むのだろうか。

違う。悪いことをしたいから悪いことをするのだ。学校が、親が、息苦しくて、逃げたいから盗むのだ。

大人になると、いたずらができなくなる。
いま夜更かしをして、これを読んでいるあなた。規則正しい世界から夜を盗もうではないか。僕もあなたも単独犯。いいじゃないか。

誰にも迷惑をかけてないんだから。


P.S 万引きはダメだよ

「スキ」を押して頂いた方は僕が考えた適当おみくじを引けます。凶はでません。