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夏目作曲帳その2 さいしょのさいしょ

みなさんこんにちは。現在朝5時、もともと夜型ですが、おやすみ三日目にしてディストピア感のある生活リズムになりました。たぶん1ヶ月後には一周して早起きになると思います。輪廻って感じがしますね。

第二回は、今回作る曲の一番最初の過程を、なんとか言語化してみます。これから書くことは、すべて僕の個人的なやりかたで、ふんわりしています。エッセイだと思って軽く読んでいただけたら嬉しいです。ちなみに、現時点で、ワンコーラス分の歌メロとコード進行のみできています。がんばろう。

①BPM

曲の第一印象を決めるのはBPM(テンポ)と調(キー。明るさ?)です。今までの曲作りは、感覚的に生まれたものをそのまま仕上げるという感じでした。それはそれでいいと思うのですが、感覚だけだと成長できません。今回は一番初めにテンポをざっくり決めてしまいます。

前作の「流星群に伝えて」のような疾走感を残しつつ、ちょっと違った雰囲気にしようと思います。BPM180~190くらいかな。そういえば、僕がお世話になっているボカロPの先輩が「BPM180以下はバラード」という名言を残しています。参考になります。

②情景を切り取る

僕は小さい頃から本当に妄想ばかりしています。空を飛んだらどんな感じだろう、普段は観客でいっぱいの野球場の深夜3時の静けさを知りたい、ときに非現実的な、水と空が逆さまになったプールとか、入り組みすぎた地下水路とか、100km先まで続く橋とか。そういう景色が一枚絵となって浮かびます。

よく「メロディが降りてくる」という表現を見かけますが、僕にとって降りてくるのはこういった情景です。音や言葉は、先人の知恵の組み合わせにすぎません。模倣の組み合わせです。とはいっても、例えば寝る時に視る不条理な夢でさえ、自分の記憶の再構築なわけで、オリジナリティというのはそもそも、すでにあるものの組み合わせなのかもしれません。

今回も、一つの情景がすでにあります。野暮を承知で、この日誌の趣旨に沿って言葉にしてみます。

夕方、工業地帯でしょうか。荒廃したビルがあります。屋上へ続く非常階段に、高校生くらいの女の子が立っています。髪は短め。背中越しで、顔は見えません。ぼーっと、煌々とした西日を眺めています。彼女のほかにひとはいないようです。

今回はこちらの景色をもとに作ります。

③感情を切り取る

彼女の感情を想像します。背中越しに「あきらめ」のような感情を感じます。この荒廃した街に、なんらかの理由で取り残されている。かといって、絶望に苛まれている雰囲気はありません。おそらく、もう長いあいだ、この状況が続いている。飽きているけれどどうしようもない。暇。退屈。あ、あくびをしました。

このように、つらつらと妄想をしていきます。

話は変わりますが、例えば、あなたがどこかで美しい夕焼けを見て、なにか感情が生まれても、それをすべて言葉にすることはできないと思います。人の感情は、星の数ほどある言葉を以ってしても、完璧に変換することはできません。なんらかの省略を伴います。言い換えれば、感情は生まれた時点で変換の必要などなく、完結している。でも、それを誰かに伝えたい。どうしたらいいのでしょう。そうやって、言葉や音楽は発達したのだと思います。

そして、音楽は、こういう理屈抜きで、リズムやメロディに単純にドキドキできるところがいいですね。

語りすぎました。いつも、最初はこんなことを考えています。表現しきれないものに、ギリギリまで近づきたいのです。

次回は、今回選んだ景色と感情に似合うコード進行を探します。

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