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キログラム原器を持ってみたい

今年のいつだったか、忘れたが、ちょっと悲しい知らせが届いた。

“1キログラム”の定義方法が変わり、それまで129年間、1キログラムの定義であった”国際キログラム原器”が廃止される。

というニュースだ。

キログラム原器、こんな形をしているらしい。厳重に守られてる感じが良い。守ってるガラスみたいなやつの形状も非常に良い。くすぐられる。

端的に言えば、129年前から今までは

“1キログラムってなあに?おしえて!”

と問われたら、

”これの重さのことじゃ〜〜い!”

と、好奇心旺盛な少年めがけてキログラム原器をぶん投げてやれば話がすんだ。

世界中の1キログラムの頂点。キングオブキログラム。女子が1キロ太って凹むのもこいつのせい。

僕は、これだけ科学が進歩しても、”1キロはこれの重さ”としか言えなかったところに、得体の知れないロマンを感じていた。

何万年も先、地球外生命体がこの星に来る。人類はすでに滅んでいた。彼らは、荒廃した科学施設らしき建物でこれを拾う。宇宙船に持ち帰って、怪訝そうに

“キログラムとはなんだ?重さと書いてある?重さとはなんだ?”

と、他のクルーとああだこうだ言っているところまで妄想できる。変態だから。

きっと、今回の定義変更は、人類にとっての進歩なのだろう。(僕は高校時代、理科総合のテストでマジモンの0点を取ったことがあるのでよくわからない。)

でも、僕がワクワクできるものがこの世から消えてしまうので、なんとなく寂しいのだ。いつか、こいつを手に持って真実を知りたかった。

ちなみに新しい定義は以下の通り。

キログラムはプランク定数の値を正確に 6.626 070 15×10-34 ジュール・秒(Js、これはまた m2 kg s-1 とも表せる)と定めることによって設定される。

読むだけで僕の脳みそが退化していくのがわかる。カムバックキログラム原器!

「スキ」を押して頂いた方は僕が考えた適当おみくじを引けます。凶はでません。